スゴイ売り場が出来てしまった 作品と売り方が試される

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「どこか1箇所でいい。スゴイ売り場をつくれ」

バンダイ時代、10年くらい前に社内で聞いた言葉だ。これは大事な仕事術である。玩具メーカーはたくさんのアイテムを扱っている。どの商品も、開発者、営業マン、キャラクターの版権元など、関係者の魂がこもっている(はずである)。

とはいえ、売れる商品もあれば、売れない商品もあるわけで。この、売れる、売れないのパターンも色々で。売れると期待されていたのに、大ハズシということもあるし、その逆もある。10年前は、ちょうど戦隊が『獣拳戦隊ゲキレンジャー』で、仮面ライダーは『仮面ライダー電王』だった。ぶっちゃけ、前者の方が前評判が良かったし、後者は電車に乗って移動する、日本昔ばなしのキャラクターが憑依して闘うという内容が衝撃的すぎて賛否両論よんでおり。しかし、結果としては、後者は空前の大ヒット作品になった。

もちろん、後から理由は説明できる。もっとも、その時は全力投球しなければならないわけで。さらに、最初は売れなかったがあとで火がついたり、逆に初速は良いものの、だんだん失速するパターンもあるわけで。

最初の「どこか1箇所でいい。スゴイ売り場をつくれ」という話に戻ろう。文字通り、どこか1箇所でいいから、大々的プッシュの、スゴイ売り場をつくる。売りたい商品がたくさん並んでいるだけではない。ジオラマをつくったり、液晶ディスプレイで映像を流したり。もちろん、POPなどもこだわる。イベントまでやってしまう。そうすると、商品自体の力というのがわかるわけで。その実績を他の売り場にも展開できたりもする。

これは、ある意味、残酷でもある。というのも、商品力が問われるからだ。ここまでやって売れなかったら、商品がダメだったんじゃないかという話になる。

リクルート時代も「やると決めたら、やりきれ」という言葉があり。やりきることによって成果も期待できるわけなのだが、裏の意味では、ちゃんと何がダメだったかを検証しやすくなるというものもあり。


複雑な心境である。おかげさまで最新作はどの書店でもプッシュされているようで。売り場の写真もどんどん届く。台湾から帰国してから、書店にふらりと行ってみたが、たしかにプッシュされている。このあと、メディア露出もたくさん控えている。

・・・これで売れなかったら、私の本と、常見陽平という著者がダメだってことだよね。怖い。

おかげさまで、大変に応援して頂いており嬉しいのだけど。でも、ダメだったらダメだったなりに、潔く負けを認めるつもりだよ、セールスにおいては。

内容は届いているようで、響いているようで嬉しいのだけど。

というわけで、著者生活10周年。生き残りかけて、頑張りますかね。

お願い。

買って。

読んで。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年4月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。