未来がない政党

尾藤 克之

写真は参考書籍書影

民進党の長島昭久議員が離党を表明した。民進党はいくつかの矛盾を抱えることから「寄り合い所帯」とも称されてきた。自民党の政策に同調する保守派が存在する一方で、全面的に対峙する革新派が存在する。そもそも相容れない矛盾を抱えているから折り合いが悪い。

自民党の下村博文議員(都連会長)は、長島議員の自民党入党を歓迎する意向を表明した。支持率の低迷もあり、今後もこの流れを止めることは難しいのではないか。野党第一党として存在感を高めるなら明快な主張と相応の覚悟が必要とされる。

民主党(民進党)は政権交代した際に、2つの明確な方針を明示していた。
1)官僚天下りの根絶
2)企業団体献金の全面禁止

当初から実現可否の問題もあったが、この政策が国民の圧倒的な支持を受けたことは自明の理であった。その結果、圧倒的な勝利によって、鳩山政権が樹立する。ところが、政権遂行力に乏しいことが9ヶ月で露呈する。当初の政策を破棄したことで主権者である国民の信頼を失うことになる。今となっては事業仕分けという響きすらなつかしい。

支持率からも凋落傾向が止まらないことがわかる。

NHKによれば、各党4月の支持率は、自民党が38.1%、民進党が6.7%、公明党が3.8%、共産党が3.2%、日本維新の会が1.1%、自由党が0.5%、社民党が0.6%、日本のこころが0.1%、「特に支持している政党はない」が38.7%である。

前月比では、自民党は、36.9%(3月)→38.1(4月)の1.2%増。民進党は、7.6%(3月)→6.7%(4月)の0.9%減となっている。

さて、このような政局の読み方や、政治の本質をわかりやすく理解できる書籍があることをご存知だろうか。アゴラ編集長の新田哲史氏が上梓した『蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? 』である。

新田氏は、有権者が高度化する政治やビジネスの「世論ゲーム」のテクニックに翻弄される恐れがあると危惧している。恣意的な情報の思惑に世論を誘導されかねない。

本書は政治経済をジャンルとするノンフィクションである。しかし、堅い政治経済の内容とは異なる。この機会に多くの人に参考にしてもらいたい。

参考書籍
蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? 』(ワニブックスPLUS新書)

尾藤克之
コラムニスト

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