民進党を存亡の危機に導いた人格攻撃中毒・依存症

藤原 かずえ

最近になって民進党の求心力の低さが顕在化し、「社会党化」がよりいっそう進んでいます[産経ニュース]

マスメディアが【センセーショナリズム sensationalism】を発揮して政府に対する強力なネガティヴ・キャンペインを行った森友問題は、野党第一党である民進党にとって、内閣支持率を低下させ、民進党支持率を上昇させる絶好の戦略的チャンスであったと言えます。しかしながら現実には、民進党の議員が、安倍晋三首相・安倍昭恵夫人・稲田朋美防衛相に対してヒステリックに【人格攻撃 ad hominem】を行えば行うほど、その内容がブーメランとなって民進党を打撃し、最終的には政府の支持率が微増して民進党支持率が減少するという結果に終わりました。

また、務台俊介内閣府政務官、山本有二農相、今村雅弘氏復興相の発言や中川俊直経産政務官の行動に対して、マスメディアが同様のネガティヴ・キャンペインを行っても、民進党が【人格攻撃】する姿勢を見せた瞬間に、多くの国民は、これらのスキャンダルが国政を停滞させるほどの重要案件ではないことに気付いてしまい、政治が平静を取り戻すというパターンが続いています。

なぜこのように民進党の求心力が低下しているかと言えば、自らの【人格 personality】をまったく問題視せずに、他者の【人格】のみをヒステリックに攻撃し続ける民進党のバレバレの【ポピュリズム populism】に国民がウンザリしているためと考えられます。安倍昭恵夫人の説明を求めても辻元議員の説明は拒否する、中川議員に議員辞職を迫っても初鹿議員には堂々と議員活動させるといった民進党の過激な【ダブル・スタンダード double standard】を既に多くの国民は認識しており、民進党が【人格攻撃】をするたびに、むしろ民進党自体の【人格】が問われているのが実状であると言えます。政党支持率の低下はもはや危険水域であり、長期間にわたって民進党を支え続けたハードコア支持者層すら離れ始めているものと考えられます。

この記事においては、民進党の主要な政権攻撃メソッドである【人格攻撃】のパターンをサマライズした上で、それを絶え間なく繰り返す行動原理について行動心理学および臨床心理学の見地から分析してみたいと思います。

人格攻撃とは

【人格攻撃】とは、言説の論者の【人格】が悪いことを根拠にして言説の【論理 logic】を否定する【論理的誤謬 logical fallacy】です。人格の主体は、個人の価値観に基づく規範である【倫理 ethic】であるため、【人格攻撃】は主として攻撃対象の【倫理】を攻撃することになります。すなわち、【人格攻撃】とは、情報受信者に対して、【論理】で構成される言説の【真・偽 true/false】を、論者の【倫理】、すなわち【善・悪 good/evil】で判断させるようにすり替える【情報歪曲 distortion】の手法です。当然のことながら、【真・偽】と【善・悪】は無関係であると言えます。

【人格攻撃】をする側が攻撃対象の【倫理】をどのようにして攻撃するかと言えば、攻撃側の【倫理】で攻撃することになります。先述したように【倫理】は個人の価値観であるため、攻撃側が自由に設定することができます。つまり、【人格攻撃】は、自分勝手な倫理を振りかざせば、誰にでも簡単に行うことができる攻撃であると言えます。根拠なく攻撃対象の【悪口 name-calling】を言うこと自体、立派な【人格攻撃】となります。

【人格攻撃】は、極めてナイーヴで、簡単に【論理的誤謬】として認定できる一方で、難解になりがちな【論理】とは異なり、誰にでも簡単に理解できると同時に誰もが求める正義を振りかざすものであることから、メディアリテラシーを持たない情報弱者が飛びつきやすい言説であると言えます。難解な議論を理解できずに蚊帳の外に置かれていた情報弱者は、自分でも攻撃できる対象の存在を認知すると、これを無批判に【スケイプゴート scapegoat】とみなし、【人格攻撃】をする人物に【同調 conformity】する傾向があります。このことは【人格攻撃】が【ポピュリズム】に利用される所以です。→参考記事:[ポピュリズムのメソドロジー] [大衆の同調メカニズム]

人格攻撃の実例

ここで民進党の【人格攻撃】の実例を少しばかり示しておきたいと思います。毎年、5月3日の憲法記念日の前後は、日本国憲法をテーマに野党が政権与党を徹底的に【人格攻撃】する日となっています。2017年も例外ではありませんでした。

【憲法施行70年】民進党・蓮舫代表談話「改悪目指す安倍自民の暴挙に正面から対峙する」[産経ニュース]

いま日本国憲法は、大きな危機に瀕しています。

安倍総理は、年々憲法改悪への野心を露にしてきました。衆参両院で3分の2を制しており、憲法改悪を数の力で達成することも厭わない姿勢さえのぞかせています。憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認にはじまり、安全保障関連法の強行など、立憲主義、平和主義の本質を全くしようともせず、これを大きく損なわせた安倍自民党政権が、いよいよ憲法改悪に手をつけようとしているのです。

また、現在国会で議論が行われている「共謀罪」法案も、その本質は国民の内心を取り締まり、表現の自由などを委縮させようとするものです。憲法で保障されている基本的人権を侵害するおそれのある法案を、「テロ対策」とはならないのに、それを名目として、強引に成立させようとしているのです。

数の力のみで日本の国のかたちを変えていこうとする安倍自民党政権の暴挙に、民進党は正面から対峙してゆきます。来たる衆議院選挙は、誤った方向への改憲を目指す安倍政権の暴走を止める機会にしなければなりません。

下線部を見れば明らかなように、蓮舫代表の演説は、政権を【悪】と認定させるようなネガティヴな言葉や不正確な評価のオンパレイドであり、【論理】ではなく【倫理】ばかりを問題視しています。非常に興味深いことは、蓮舫代表が勝手に安倍首相の内心を手に取るように見透かしていることです。蓮舫代表がE.S.Pを操る超能力者でない限り、これらの言説は、自説に都合よく他者の意思を勝手に代弁する【代弁の虚偽 mind projection fallacy / unwarranted projection】という【立証不能論証 unprovable argument】に他なりません。

「憲法改悪への野心」「憲法改悪に手をつけようとしている」「国民の内心を取り締まり、表現の自由などを委縮させようとする」「基本的人権を侵害するおそれのある法案を「テロ対策」とはならないのに、それを名目として、強引に成立させようとしている」「数の力のみで日本の国のかたちを変えていこうとする安倍自民党政権」「誤った方向への改憲を目指す安倍政権」とありますが、一体全体、安倍首相にどのような利益があってそのような行動に出ようとしているのでしょうか。蓮舫代表の演説の内容を素直に解釈すれば、安倍政権は全体国家を作って軍事力で世界征服を企む悪の組織であるかのように理解することができます。もっぱら安倍首相は悪事が好きで好きで仕方がない異常性格者であるかのようです(笑)。

民進・蓮舫代表が「護憲」宣言!「総理の総理による総理のための憲法改悪に絶対反対」[産経ニュース]

安倍晋三首相は憲法を変えると言う。口を開くごとに、どこを変えるのかを変えてくる。総理の、総理による、総理のための憲法改悪には、絶対に反対しないといけないと改めて訴えさせてください。憲法は、国民の国民による国民のための憲法だということを確認させてください。

基本的人権の尊重、平和主義、国民主権、今まさに、この原則が脅かされようとしている。一昨年(成立した)安保法制、憲法解釈を変えただけで、法案10本を1本に束ね、わずか100時間で強行採決。違憲の疑いがある法律は、時間がたっても違憲の疑いがある。しっかり闘っていこうじゃないですか。

内心の自由が脅かされる共謀罪(組織犯罪処罰法改正案)も、審議をすればするほど、テロ対策ではないことが明らかになっているじゃないですか。

特定秘密保護法、憲法解釈の間違った進め方、共謀罪。改めて、今の政権はおごりが過ぎるということをぜひ、皆さんと連帯させていただきたいと思います。

蓮舫代表は、「総理の、総理による、総理のための憲法改悪」という一見大衆受けしそうな表現を使うことで、【対人魅力 interpersonal attraction】のアップを狙っているのでしょうけれども、国会質問で流行語として認定されたばかりの「神ってる」という言葉を使ったときと同じように完全にハズしています(笑)。「審議をすればするほど、テロ対策ではないことが明らかになっている」という評価にも根拠がなく、一方的に自らの感想を述べているに過ぎません。「政権のおごり」という印象表現は、情報受信者が潜在的に持つ論敵に対する負の感情を喚起させる【悪意に訴える論証 appeal to spite】というものです。

民進・蓮舫代表が安倍首相を猛批判 「自分のレガシーのために改憲したいのでは」[産経ニュース]

民進党の蓮舫代表は3日、安倍晋三首相が平成32年の憲法改正に強い意欲を示したことについて、「自分のレガシー(遺産)のために改憲をしたいのではないか」と批判した。都内で記者団に語った。

蓮舫氏は、首相が憲法9条に自衛隊の存在を明記した条文を追加する方針を示したことについても「緊急事態条項や教育無償化、今度は自衛隊。毎回言うことが違う。なんのために誰のために憲法改正するのか見えない」と指摘した。

「自分のレガシー(遺産)のために改憲をしたい」というのは、先述した【代弁の虚偽】です。また「緊急事態条項や教育無償化、今度は自衛隊。毎回言うことが違う」については、安倍首相が異なるアジェンダを日を変えて別々に述べていることを、あたかも言説が毎回ブレているかのように印象操作しています。さらには「なんのために誰のために憲法改正するのか見えない」というのも、一方的に自らの感想を述べているに過ぎません。

以上、具体的に演説の内容を見てみると、その言説のほとんどが【人格攻撃】で構成されており、論理的な主張はほとんど認められないということがわかるかと思います。なお、民進党が会見や演説で政権を【人格攻撃】する傾向は、けっして憲法記念日だけに特化されたものではありません、毎日のように行われる民進党執行部の定例記者会見では、一年中このような【人格攻撃】を続けていると言えます。

人格攻撃を正当化する善悪二元論

民進党の国会審議における【人格攻撃】のメソッドに次の2つのパターンに大別されます。

(a) 政権与党の議員の各種「発言」「行動」を問題視し、国会審議においてその倫理を非難する。
(b) 国会で審議する「法案」の一部内容・審議進行を問題視して、総理大臣、担当大臣・議長の倫理を非難する。

このうち(a)は、当該「発言」「行動」と議事との関連性の有無などお構いなしに国会審議において、発言者・行動者の追及、首相の任命責任の追及、審議拒否などを行うことで、審議の日程を遅延させ、法案成立の妨害、および政権与党の支持率低下を目論むものです。当然のことながら、国会議員の用務は、法案の【論理】を審議することであり、他の国会議員の【人格】を糺すことではありません。たとえ政治家個人の「発言」「行動」が「失言」「スキャンダル」であったとしても、その【人格】と法案の内容とは基本的に無関係であり、このようなメソッドは、明らかに【論点回避の誤謬 red herring】であると言えます。

一方(b)は、「法案が悪いのは、総理大臣、担当大臣の人格が悪いからである。そのような法案を認めるわけにはいかない。」「質疑に対して適切に答えられない無能な担当大臣の辞任を要求する」「強行採決を認めることはできない。職権を濫用する強引な議長の解任を要求する。」といったような主張で審議の日程を遅延させ、法案成立の妨害、および政権与党の支持率低下を目論むものです。基本的に民進党の議員は、政権与党との政策に対する見解の違いを「政権与党は【悪】である」ことに求め、「独裁政権」「男尊女卑政権」等の言葉を次々と繰り出しては徹底的に政権与党を【悪魔化 demonization】します。担当大臣に対しては、答弁すると国民に誤解を生むような発言を引き出す挑発質問を繰り返し、担当大臣がその罠に誘導されないよう正確に答えると、「説明できていない」「無能」というようなレッテルを貼ります。さらには、本質をついた合理的質疑がほとんど皆無であるにもかかわらず質疑の継続を要求し、いざ採決となると、「強行採決」「民主主義の終焉」「立憲主義への冒涜」などというお決まりの発言で政権与党を【悪魔化】します。このようなメソッドも、明らかに【論点回避の誤謬】であると言えます。

意識的であるか無意識であるかはどうであれ、以上の(a)(b)のようなメソッドを民進党が際限なく繰り返し使っている行動から帰納的に推論すれば、民進党は、古代ゾロアスター教に見られるような【善悪二元論 the dualism of good and evil】を行動原理にしているものと考えられます。明らかに民進党議員は、「【内集団 in-group】である民進党は【善】の存在であり、その言説は常に【真】である」「【外集団 out-group】である自民党は【悪】の存在であり、その言説は常に【偽】である」とする【偽原理 non-sequitur / it dosen’t follow】を信仰しています。この暗黙理に設定された民進党=【善】=【真】、自民党=【悪】=【偽】なるステイタスによって、民進党の議員は臆することなく【人格攻撃】を続けているものと考えられます。

このような異様な行動原理を持つ民進党は、もはや論理を駆使してベストな法案を作り上げるというミッションを持つ【政党 political party】としての体をなしておらず、過激な倫理を信仰する一種の【カルト cult】と化しているものと考えられます。そして、ビリーフが熱狂的である分、想定する「悪」に対する追及においては、例えば山尾議員が安倍首相に対して「器が小さいんだよ」と叫んだように、極めてヒステリックで威圧的な「罵倒」が展開されます。【カルト】の行動原理においては、「嘘も方便」「愛国無罪」と同じように、聖なる目的を達成するためであれば【人格攻撃】も正当化されるのです。そして、このようなメカニズムを考えれば、蓮舫代表、山尾志桜里国民運動局長、山井和則国会対策委員長、辻元清美議員、階猛議員、柚木道義議員、初鹿明博議員、宮崎岳志議員、小西洋之議員等の議員が、常軌を逸した過激な【人格攻撃】を行い続けていることも、まんざら理解できなくはありません。

そんな中、間違いなく最も不幸なのは主権者である国民であるとと思います。「この世に悪が栄えたタメシはない。正義の味方の民進党は、世の中を悪くすることに夢中な政権与党が滅びるまで戦い続ける。」といった出来の悪い「勧善懲悪ドラマ」を国会審議を通して強制的に見せ続けられている国民は、本当にたまったものではありません(笑)。

人格攻撃中毒・人格攻撃依存症

民進党のような【人格攻撃】一辺倒の国会戦略は、けっして新しいものではなく55年体制の日本社会党にそのルーツがあると言えます。政権与党に対して、「ダメなものはダメ」という【トートロジー/同語反復 tautology】で【人格攻撃】を行った土井たか子元社会党委員長、そして一貫して朝鮮半島の日本に対する世論を代弁する形で【人格攻撃】を行った福島瑞穂元社会民主党党首はその典型例であるといえます。この55年体制の負の遺産を継承したのは、実現不可能なマニフェストを根拠にして政権与党を【人格攻撃】した鳩山由紀夫元民主党代表やノイジーマイノリティーの政治運動とシンクロして政権与党を【人格攻撃】した菅直人元民主党代表です。かくして、民主党が【人格攻撃】の総本山となり、現在の民進党に至っているものと言えます。

ここで注目する必要があるのは、民進党の【人格攻撃】が恐ろしいまでに常態化しているということです。国会の本会議や委員会における質疑応答、執行部の定期会見、そして個別の事案に対して政権与党を追及するために次々と設置される特別チームの会見における中心の話題は、政策の議論ではなく、ほとんどが政権与党議員への【人格攻撃】です。このような病的な状況は、まさに以下に示すような【アディクション/嗜癖(しへき) addiction】の症状であるといえます。

【アディクション】とは、特定の刺激を絶えず求めてしまう【障害 disorder】のことです。【アディクション】には、アルコール・薬物等の物質を求める【物質嗜癖 substance addiction】とギャンブル・買い物等の行動を求める【行動嗜癖 behavioral addiction】がありますが、このうち、民進党が陥っているのは【人格攻撃】という行動を求める【行動嗜癖】です。

【アディクション】の形態には【乱用 abuse】と【依存 dependence】があります。これらのメカニズムについては、行動心理学の観点から簡単に説明できます。

人間は、ある行動をした後、その行動によって【好子 reinforcer】と呼ばれる「好きな刺激」あるいは【嫌子 punisher】と呼ばれる「嫌いな刺激」が、【強化 reinforcement】あるいは【弱化 punishment】されることを学習します。そして、この学習で得られた4種の【行動随伴性 behavior contingency】から行動の頻度を決めることになります。

【正の強化 positive reinforcement】→【好子】出現によって行動頻度が増加する
【負の強化 negative reinforcement】→【嫌子】消失によって行動頻度が増加する
【正の弱化 positive punishment】→【嫌子】出現によって行動頻度が減少する
【負の弱化 negative punishment】→【好子】消失によって行動頻度が減少する

このような【行動随伴性】に支配される行動を【オペラント行動 operant behavior】といい、その行動原理を【オペラント条件づけ operant conditioning】といいます。

【乱用】と【依存】はいずれも【禁断症状 withdrawal】を伴いながら特定の刺激を強く欲する【オペラント行動】であることが知られています。このうち【乱用】は、「好きな刺激」を得る、すなわち【好子】の出現により行動頻度を増やす【正の強化】行動です。一方、【依存】は、禁断症状という「嫌いな刺激」を消す、すなわち【嫌子】の消失により行動頻度を増やす【負の強化】行動です。

このような【アディクション】のメカニズムにおいて、民進党にとって好きな刺激である【好子】は、民進党支持率の上昇あるいは内閣支持率の下降であり、嫌いな刺激である【嫌子】は、民進党支持率の下降あるいは内閣支持率の上昇であると言えます。民進党が異常なまでに絶え間なく政権与党の【人格攻撃】を行っているのは、「短期的に民進党支持率の上昇と内閣支持率の下降」を得るための【乱用】と「短期的に民進党支持率の下降と内閣支持率の上昇」を消すための【依存】のいずれか一方、あるいは両方の【障害】を発症しているためと考えられます。

ここで、民進党の【アディクション】の具体的症状を、同じ行動嗜癖である【ギャンブル障害 gambling disorder】のアナロジーとして分析してみたいと思います。

ギャンブル障害の診断基準DSM-5によれば、過去1年に次の症状のうち4つ以上自覚がある場合にギャンブル障害と判定されることになります(「自覚」があるため正確にはいわゆる【ギャンンブル依存症】と言えます)。

(1) 望み通りの興奮を得るために掛け金を増やしながらプレイしてしまう。
(2) 掛け金を減らしたりギャンブルをやめようと思うと、落ち着かずに過敏になる
(3) ギャンブルの行動をコントロールしようとしても無駄な努力に終わる
(4) ギャンブルに没頭することが多い(追体験の希求、ハイリスクの選好等)
(5) 困窮を感じる時にギャンブルに走ることが多い
(6) ギャンブルの負けをチャラにするため、ギャンブルを行う
(7) ギャンブルに没頭していることを隠すために嘘をつく
(8) ギャンブルのために自分にとって重要な機会を失った経験がある
(9) ギャンブルに蝕まれた絶望的な財政的状況の中、金を供給してくれる人を頼る

これらのギャンブル障害障害の症状を民進党の【人格攻撃】の【アディクション】に適用すると次ようになります。

(1) 実質的に【人格攻撃】を行う「疑惑追及チーム」に党の人的リソースを惜しみなく注ぎ込む民進党は【人格攻撃】を拡大しています。
(2) 【人格攻撃】に異議を唱えて離党を表明した長島昭久議員に対して、民進党は過敏となり、除籍処分としました。
(3) 蓮舫代表は「批判から提案の民進党に」と宣言して「対案路線」を打ち出しましたが、【人格攻撃】は止まず、無駄な努力に終わっています。
(4) 2006年の偽メール事件で国民的信用を失った民主党は政府与党の【人格攻撃】により、わずか3年後の2009年に圧倒的な国民の支持を受けて政権交代をしました。民進党はこの成功体験から抜け出せていないものと考えます。
(5) 国民の信頼を失って政権を退いた民進党は、政策の議論に集中することなく、まさに【人格攻撃】に走ったと言えます。
(6) 数々の【人格攻撃】についてダブル・スタンダードが指摘され、ブーメラン政党と認識された民進党は、それをチャラにするためにむしろ【人格攻撃】を強めていると言えます。
(7) 「森友問題でない質問をしようと思います」と言いながら森友問題を延々と質問する福山哲郎議員のケースはこれにあたります(笑)。
(8) 森友問題他で【人格攻撃】を続けた民進党は、まともな政策討論を行う貴重な機会を明らかに失っていると言えます。
(9) 【人格攻撃】を続けたことによって国民の信頼を失い続けている民進党ですが、連合の言うことには従います。

以上のアナロジーによれば、民進党の【人格攻撃】の【アディクション】は、見事に全ての症状に適合しています(笑)。すなわち民進党は【人格攻撃】の【アディクション】障害を発生している可能性が高いと言えます。ここで注目する必要があるのは、民進党がこの症状を自覚しているかしていないかということです。民進党の【障害】は、民進党がもし症状を自覚していなければ、【人格攻撃中毒】※であると言え、症状を自覚していれば【人格攻撃依存症】であると言えます。症状の自覚の有無は各議員の意識によって異なるものと考えられます。

※日本語において【乱用】の【障害】のことを慣用的に「中毒」と言います(例えば「アルコール中毒」「ギャンブル中毒」)。ただし医学的な専門用語としての【中毒 poisoning】は別の意味であることに留意が必要です。

いずれにしても、【中毒】および【依存症】は、直面する現実からの逃避であり、【社会的不適合 social incompatibility】を引き起こす可能性が高いと言えます。このような政党が野党第一党であることには絶望せざるを得ません。

人格攻撃アディクションの治療

【人格攻撃中毒】あるいは【人格攻撃依存症】といった【人格攻撃】の【アディクション】は治療可能です。治療方法はシンプルであり、先に示した【行動随伴性】のうち【正の弱化】あるいは【負の弱化】を行えば、民進党は【人格攻撃】をするベネフィットがなくなるため、【乱用】【依存】は解消に向かっていきます。具体的には、民進党が【人格攻撃】をしたときに、国民は次のような行動を行うことが重要です。

【正の弱化】:民進党支持率を下降させる、あるいは内閣支持率を上昇させる
【負の弱化】:民進党支持率を上昇させない、あるいは内閣支持率を下降させない

つまり、民進党の【人格攻撃中毒】【人格攻撃依存症】を治療するには国民の協力が必要であるということです。そもそも、民進党の異常な【人格攻撃】を許容してきたのは紛れもない国民であり、一部国民による民進党の【人格攻撃】への不合理な支持が、民進党の【人格攻撃中毒】【人格攻撃依存症】を発症させる主要因となったわけです。

今、国民が民進党に対してできることは2つしかありません。

一つは【正の弱化】【負の弱化】を通して、民進党の【人格攻撃中毒】【人格攻撃依存症】を治療して立ち直らせることであり、もう一つは次の選挙で民進党を消滅させることです。ちなみに私は後者を支持します(笑)。現在の社会には喫緊の問題が山積しており、民進党を立ち直らせるような悠長な余裕はないからです。

なお、もちろんのこと、民進党にも【人格攻撃】に手を染めることなく、正当に論理で政権与党を追及する政治家もいらっしゃることと考えます[例]。そのような議員の皆さんには、ぜひとも民進党に変わる新しい政策集団を編成してプロフェッショナルな議論を国会で展開していただきたく希望する次第です。


編集部より:この記事は「マスメディア報道のメソドロジー」2017年5月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はマスメディア報道のメソドロジーをご覧ください。