書評は本を広げてくれる、深めてくれる



最新作『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)なのだけど、お陰様で書評のラッシュ。これまでに、『週刊東洋経済』『President』『潮』『ダ・ヴィンチ』『労務事情』『HRM MAGZINE』『季刊・労働者の権利』など。



『President』では、「日本の残業文化を変える独創的な提言」と絶賛されており。私の会社員経験に基づく話を評価してくれていたり。書いて頂いたのは、『日経ビジネスアソシエ』の創刊編集長渋谷和宏さん。10年前、私は普通に読者だった。感謝!

潮 2017年 06 月号 [雑誌]
潮出版社
2017-05-02



『潮』では、海老原嗣生さんに書いて頂いている。「残業問題について、考察を深めるうえでのガイドブックとしては好適だろう」「常見氏特有の”世間とは異なる目線”も随所にちりばめられる」「労使だけを見がちな従来の論議とは一線を画す視点といえよう」と激賞。

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一方で「著者の伝家の宝刀”普通の日本人ならば”論が、鈍っている」というご批判も。

そうか、そうなのかと発見があったり。会社員→物書き→大学の先生と人生ぶれまくりの、中途半端を極めている私だけど、自分の進む方向性に気づいた。感謝。

こういう風に、本について「そうか、そう読むか」と著者も意図しなかったことを気づかせてくれる書評って素敵だ。広げてくれるというか、深めてくれるというか。

文庫解説ワンダーランド (岩波新書)
斎藤 美奈子
岩波書店
2017-01-21



ふと、この本のことを思い出した。タイトル通り、文庫解説をひたすら解説するというものなのだけど。これって味わい深くて。

本について「そう読むか」ってものがあったり、解説のようでdisりを書いてたり。さらには、徹頭徹尾自己主張、なんてものも。

個人的には、この本でも取り上げられているが『なんとなく、クリスタル』(田中康夫)に関する、高橋源一郎の文庫版解説は、この不思議な作品を、見事に立派なもの風に、見せているよね。

そういえば、拙著、Amazon1点レビュー攻撃が2つきた。この野郎と思いつつも、ああ、広く手にとってもらっているのねとか、世の中にはこんな人もいるのねと思ったり。

さ、今日も楽しくいきますかね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年5月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。