Airbnbの次のライバルは「一休ドットコム」

本日の日本経済新聞電子版によれば、民泊仲介を行っているエアビーアンドビー(AirBnB)が、日本の高級旅館やホテルの予約サービスに参入するそうです。日本のオンライン旅行会社と組んで予約を受け付ける仕組みになります。

写真は私が所有する不動産で営業している簡易宿所で、エアビーアンドビーで予約を受け付けています。

このようにエアビーアンドビーに登録されている宿泊施設は、日本だけでも5万件あると言われています。しかし、その大半は旅館業法などの規制ルールから外れた、非合法の施設になっていると思われます。旅館よりも簡単に許可が取れる簡易宿所と呼ばれる宿泊施設であっても、旧態然とした規制があり、許可を取るためのハードルが高いため、無許可で営業するケースが多いからです。

政府は今国会で住宅宿泊事業法案を提出していますが、このルールに従うと年間180日の営業日数が上限になってしまい、採算にのりません。法整備が、逆に民泊を締め出し、非合法の宿泊ビジネスを加速させることにことになりかねないのです。

今回のエアビーアンドビー参入の動きで、最も影響受ける可能性があるのは一休ドットコムです。2つのサイトは顧客層が比較的重なっている思われ、一休ドットコムの高級旅館よりも魅力的な選択肢が提供されれば、大きな脅威になります。

一方で、単なる施設の紹介にとどまるとすれば、一休ドットコムの強みであるオリジナルのポイントサービスや、宿泊施設と提携したサイト限定のプラン、あるいはサイトの使い勝手の良さといった優位性から、エアビーアンドビーの高級ホテル・旅館の利用はあまり伸びないでしょう。

いずれにしても、旅行の予約サイトの選択肢が増える事は、利用者にとってはとても良いことです。現時点のエアビーアンドビーのサイトの使い勝手は必ずしも良いとは言えません。使い勝手が良くなり、掲載されるコンテンツの厚みによって新たなニーズや顧客層が開拓できれば、日本のインバウンド需要の拡大にも貢献する素晴らしい事業になると思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年5月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。