気鋭の大田区議会議員として有名な、おぎの稔先生と新橋の飲食店で密会した。おぎの先生は日本維新の会所属だ。最近は大田区議会の中で新会派を結成したばかりである。
左派論客と括られてしまいがちな私が、なぜ日本維新の会の若手と?と思うかもしれないが、党派性やイデオロギーをこえ、語り合った。
私の最新作をもとにしつつ、働き方改革や、若者の雇用や教育、地域と若者の関わりなどについて深く議論した。格差の問題などについて、真摯に向き合うおぎの先生の姿勢に痛く共感した次第だ。
このフルーツロールが上手く中和してくれたのだが、顔は笑顔だったものの、徹頭徹尾、真面目な話しかしかなかった。これぞ、意見交換会だ。
その数時間後に、眞子様の婚約報道だ。東京・渋谷区の飲食店で開かれた 留学に関する意見交換会の席で知り合ったという。それ、合コンだろ、という。
いや、数々の披露宴に出てきたが、こういうお上品な席では物事の言い換えがカギとなる。これまで、民間人は「共通の友人のご紹介で」というフレーズを使ってきたものだが。私も友人の披露宴で「つまり、それは合コンでございます」と暴露(あえて、チェッカーズ風にぼうろと読むこと)し、喝采をあびたことがあったが。
しかし、「共通の友人のご紹介で」以上のお上品な表現があったとは。あっぱれ!
もっとも、「飲食店での意見交換会」というのもいかがなものか。この日の、おぎの稔先生との真面目なミーティングも「飲食店での意見交換会」ではないか。
しかも、いかにもネット文脈にウケそうだし、実際、Twitterのトレンドにも入っていた。宮内庁も、報道機関もネットウケを意識したということだろうか?案の定、友人たちもSNS上で、意見交換会ネタを投稿していた。
そんな中、朝起きると、新聞のトップは眞子様婚約かと思いきや、朝日新聞は加計学園と安倍首相に関するスクープだった。共謀罪の採決に合わせて、眞子様婚約発表だと思いきや、それにぶつけてきたか。真相はどうなのか。メディアは追求するべきだし、首相も責任ある説明をするべきである。
いや、こういうスクープがあると認めるか否か、辞任するか否かという話にすぐなるわけだけど、大事なのは、政治家は政治家としての、ジャーナリズムはジャーナリズムとしての責任を果たすことではないか。
特に新聞はここ数年、スクープというものが明らかに減っており。甘利も、舛添も、ゲス不倫議員も追い込んだのはセンテンススプリングだった。いや、別にスキャンダリズムは新聞の仕事ではないとも言えるが、スクープは新聞の仕事ではないだろうか。この春のイベントでも話題となったが、新聞は最近、どれだけの政治家と企業に斬り込んだのだろう。後者は不祥事が発覚した後は斬り込んでいるのだけど。
というわけで、それぞれの立場が真面目に仕事しようぜという話。
まずは、意見交換会から始めよう。
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年5月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。