なぜスタバはセルフレジを導入しないのか?

内藤 忍

自宅の近くのスーパーにセルフレジが導入されました。普通のレジと同じように店員さんがバーコードを読み取ってくれますが、支払うときには隣のセルフレジに移動して、現金やクレジットカードで自分で決済する方法になっています(写真)。

お店の目的は、レジの待ち時間の削減と、人件費の節約だと思います。自分で機械を使って支払いをするのは、お店の人にやってもらう今までの方法よりも、むしろ気楽です。機械対応ですが、サービスが低下したとは思いません。時間が節約できるので、サービスとしてはむしろ向上しているように感じます。

このようなセルフレジを最も導入してほしいと思っているお店の1つが、スターバックスコーヒーです。私はレジですぐに出してもらえるコーヒー以外は、ほとんど注文しません。テイクアウトが多く、できるだけ時間を短縮してコーヒーを買いたいと思って来店します。ところが、入ってみると大行列に遭遇し、諦めてしまいお店を出てしまうことが少なくないのです。

これは、フラペチーノのようなトッピングを選べる商品をカスタマイズする人が同じ列に並んでいて、注文に時間がかかってしまうことが原因です。時間優先の人はセルフレジで対応して、注文をさばくようにすれば、諦めて帰ってしまう人たちの機会損失を減らすことができるはずです。

セルフレジを導入しない理由が、サービスが低下と考えているからだとすれば、それは誤解です。丁寧な接客を求める人もいれば、とにかく時間短縮こそが最大のサービスと思っている顧客もいるからです。すべてをセルフレジにするのではなく、店員さんと相談しながらカスタマイズサービスを受けたい人は、従来通りのおもてなしを受ければ問題ありません。

お店の機会損失は、欲しい商品が欠品しているということと、もう一つは待ち時間が長くて諦めてしまうこと。セルフレジは後者を解決する解決する有効な手段だと思っています。

人手不足で人件費が上昇している日本において、接客業の省力化は最重要課題です。スーパーだけではなく、コンビニやファストフードのお店などにセルフレジがどんどん広がっていくことを期待したいと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年5月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。