のん(能年玲奈)さんは、現代版の映画「花戦さ」だ!

昨日から公開された映画「花戦さ」を見て来ました。私は「映画にチャンバラシーンが無いのに、戦いの映画として非常に面白い!」と釘付けになったのと同時に、事務所トラブルを抱えている芸能人は、必ず映画「花戦さ」を見たほうが良いと強く思いました。

まず、この「花戦さ」という映画の大まかなストーリーを、公式ページからネタバレしない程度に引用します。

初代・池坊専好という花の名手と千利休の友情、そして、戦国時代において京都の町衆である六角堂にいる花僧が、彼らの代表者として、時の権力者である豊臣秀吉の乱心に、刃ではなく、花をもって仇討するこの物語。

東映

私はこの作品を、花道家・池坊専好や千利休という自他共に認める個性の強いアーティストが、自分の個性を貫くために戦うという、バトル映画と解釈しました。もちろん、彼らアーティストが戦う敵は、個性を消し去る社会の仕組みや、自分好みのアートしか認めない豊臣秀吉などの権力者です。この構図が、事務所とのトラブルを抱える芸能人(アーティスト)と、芸能事務所(社会の仕組み・権力者)に、とても似ている気がしたのです。

まず、映画から受け取った1つ目のメッセージは、「アーティストの個性をないがしろにすると災いが必ず起こる」という事です。権力者というのは、基本的にお金の都合で物事を判断します。また、良い学校へ行く方が良いというような、世の中の常識というのは「お金が稼げるようになるための教え」の様なものです。一方で、本物のアーティストが世の中に発信しようとしている物は、自分の内面から湧き出る感情だったりするわけです。

だから、アーティストの中から外へあふれ出す感情を、お金の都合で権力者が無理やりせき止めてしまうとダメなのです。そんな事をすれば、いずれかの時点で、必ずアーティストの感情のダムが決壊し、災いが起こるのです。ここ数年、事務所を解雇されたり、世間的な事件を起こした芸能人(元芸能人)が大勢居ますが、こういう感情のダムの決壊的な原因があるのではないかと私は感じました。

映画の2つ目のメッセージは、「アーティストは自分の個性を守るために戦わねばならない」です。一般の人にとっては、アーティストの思考回路は謎すぎます。だから、一般人は、アーティストにとっては「地獄」としか思えない事を、真逆のポジティブな事として捉えていたりするような事もあるのです。だから、個性の強すぎるアーティストが一般の人と綿密に意思疎通を図りながら、物事を前に進めていくのは、努力しても難しい事なのです。

では、アーティストはどうしたら良いのかというと、「アートで戦うしかない」という事になるのでしょう。まさしく、刀ではなく、花で戦う「花戦さ」的な事です。私には、のんさん(旧:能年玲奈さん)は、今、現代日本の芸能界バージョンの「花戦さ」の真っ最中とも言えるんじゃないかと感じられました。

最後、映画の3つ目のメッセージは、「一般の人々は、本物の個性的なアートを見抜く目を持っている」という事です。今、大物と言われている芸能人にも、若い頃、メディアや事務所、テレビ局の人間から「才能がない」「絶対売れない」「芸がない」と、ヒドイ言われ方をしてきた人が大勢います。大物であればあるほど、若い頃の評判は悪かったりすると言っていいかもしれません。

では、そんな彼らがどうやって大物にのし上がったかというと、いつの時代も、一般人が彼らを「本物」と見抜く瞬間がやってきて、大ブレイクしたりするわけです。つまり、自分の居場所に居心地が悪いと感じるアーティストは、自分でアートを武器に戦い、一般の人に評価してもらう他に方法は無いのです。

こんな目線で、映画「花戦さ」を見ていた私は、最近の日本の芸能界のトラブルは、今説明した「アートの3つの法則」を無視した事が起きたために引き起こされたんだろうと感じました。だからこそ、芸能事務所トラブルに悩める芸能人こそ、この映画「花戦さ」を見た方が良いと思ったのです。

繰り返しになりますが、本物のアーティストは孤独です。だから、商業の枠にハマるのが苦痛なら、アートで戦うという「花戦さ」的な事をして、一般の人に評価してもらうしかないはずです。もし「花戦さ」を見て、自分は本物のアーティストだと感じた芸能人がいたら、自分の胸に手を当てて考えましょう。

そして、現在自分が置かれている状況を不快と感じるなら、事務所を辞めてでも自分のアーティスト性を貫くべきです。さもないと、自分の感情のダムが決壊し、人生が崩壊するような事が起きてしまうでしょう。もちろん、この映画の解釈や、ライフスタイルは多種多様です。ですので、今回の記事は、考え方の1つとして参考にしてみて下さい。

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※このブログの著者プロフィール
渡辺龍太 (放送作家・即興力養成コーチ)
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著書:『朝日新聞もう一つの読み方』(日新報道)
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