都議選の後を見据えて手を打っているのは、どなた?

自民党サイトより:編集部

自民党では二階幹事長、民進党では細野さんや松原さん、その他では若狭さん、というところだろうか。

8月の内閣改造が既定路線のようだが、7月の都議会議員選挙の結果次第で安倍内閣の閣僚も自民党の執行部も様変わりするのだろうな、と思っている。多分、自民党は苦杯を舐めて、来年の衆議院選挙に向けて大胆な態勢立て直しを迫られるはずだ。

自民党の底力がどの程度のものか試されることは間違いない。

前回の都議選と比較すれば得票が半減するんじゃないかな、というのが私の現時点での見立てである。
都民ファーストに風が吹いているわけではないが、目下のところ自民党の支持者が自民党に距離を置きつつある。

こういう方々が必ずしも都民ファーストの候補者に票を入れるようには見えないのだが、これからの小池さんの訴え次第では新しい流れが出来てくるかも知れない。
よくよく注視しておかれることだ。

さて、都議会銀選挙後を見据えて、既にベストポジションを確保しているのが、どうやら自民党の二階幹事長のようである。

自民党の他の議員がちょっと意気消沈しているように見えるのに、二階さんだけは元気だ。
先日は二階派の若い方々を引き連れて田植えに興じておられたようで、二階さんや二階派の方々は他の派閥のどなたよりも人一倍足腰を鍛えられているようである。

都議会議員選挙後の政局のキャスティングボートを握っているのは、やはり二階さんだということになるのだろう。小池さんとの関係も悪くないようだ。

安倍内閣の要の位置にいる菅さんは、加計学園問題でどうも選挙の顔にはなれなくなったようである。
怖い人だ、というイメージが付着してしまった。

菅さんは相変らず安倍内閣の要の人ではあるが、菅さんが表に出続けると安倍内閣はずいぶん強権的で、国民の声に耳を傾けない内閣だという印象が定着してしまう。菅さんの代わりが出来る人が錚々いるとは思えないが、菅さんを変えなければ安倍内閣も自民党もじりじりと支持率を下げていくはずである。

まあ、余計なお世話だろうが。

一方の民進党の皆さんが都議会議員選挙後を見据えてどんな手を打っているのかは、寡聞にして知らない。
どうも落ちるところまで落ちてみるしかないかな、と腹を括っておられる人が多いように見受ける。
気の毒なものだ。

都議会議員選挙後の、その先を見ている人が殆どいない。

もっとも、今回の都議会議員選挙を目前にして民進党を離党した現職の都議会議員に対して、民進党として推薦を出すそうだ。実に分かり難いことをやるものだと思うが、ひょっとしたら、民進党の中にも都議会議員選挙後を見据えて手を打つべし、と強く主張した人たちがいたのかも知れない。

これが起死回生の妙手になるか、それとも民進党解体の悪手になるかは、微妙なところだが、しかし、何の手を打たないよりはいいのかも知れない。都議会議員選挙が終わってみれば分かることである。

私が注目しているのは、小池さんより一日早く自民党に離党届けを出した若狭さんである。
若狭さんが離党届けを出したから、小池さんも腹を括って自民党に離党届けを出して、都民ファーストの代表に就任することにしたのだろう。

これで都民ファースト劣勢の流れが止まった。

勿論小池さんと若狭さんの間では、それなりに周到な協議が重ねられていたのだと思うが、今の流れを作ったのは、若狭さんの自民党離党だろうと思っている。

都議会議員選挙後を見据えて、若狭さんが動き出した。
私は、そう見ている。

若狭さんの動きに、皆さん、もう少し注目されたらいい。
色々見えてくるはずである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年6月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。