現代社会においては、多くのビジネスマンが仕事や家庭でストレスを抱えている。しかし、デキる男は違う。接待や飲み会があれば、さっそうとこなし、夜のクラブ活動にも精を出す。徹夜明けにも関わらず、膨大な仕事をこなしても疲れた顔を見せない。「アイツはいつ寝ているんだ」ともっぱらの噂だが、上司や得意先の評価はすこぶる高い。
休日は、マラソンやトライアスロン、人脈構築に勤しみ何事においてもアクティブな男が周囲にいないだろうか。そして、そのような男は間違いなく仕事で成果を出していると断言しておく。「疲れて、やる気が起きない」「気力がわかない」「決断ができない」など、そうした疲労感や倦怠感は、みじんも感じさせないのが特徴だ。
今回は、『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(KADOKAWA)を紹介したい。著者の、Testosterone氏(以下、T氏)は、総合格闘技団体・UFCのトッププロ選手と生活をともにし、最先端のトレーニング理論とスポーツ栄養学を学び、自身も米国にてデビューを果たした経験がある。既存のダイエット法の間違いが理解できる。
インチキダイエットがはびこる今日この頃
――「腹を凹ましたい」「ウエストが細くなったら人生が変わる」と思っている人はいないだろうか。体型管理は食事が9割である。どんな効果的な運動も、どんな素晴らしい筋トレも、食事がダメなら失敗する。
「この世には、ありとあらゆるダイエットが存在します。『最強の食べ方』という本を手に取るくらいですから、あなたもさまざまなダイエットを実践してきたのでしょう。本当に効果のあるダイエットから科学的根拠がないものまで、いつの時代にも多くのダイエットが存在します。しかし、忘れてはいけない大原則があります。」(T氏)
「それは、カロリーという概念です。摂取カロリーが消費カロリーを上回っていたら太り、その逆なら痩せます。きわめてシンプルな原理原則です。」(同)
――単純な話である。摂取カロリーを消費できなければ太る。その反対なら痩せる。この原理原則をひっくり返すことはほぼ不可能に近い。
「そんなの当たり前だなんて言わないでください。実は、1日に摂取すべき総カロリー数について触れていないダイエットは意外と多いのです。『○×なら、いくらでも食べてOK』といった触れ込みを見たことはありませんか。そして、ダイエットでは総カロリーだけでなく栄養価も大切な要素となります。」(T氏)
「春雨スープとサラダだけ食べていればたしかに痩せてはいきますが、栄養価が圧倒的に足りません。栄養価が足りなければ筋肉が減り、『代謝』という人間が生きていくために消費するエネルギーの量が落ちてしまいます。カロリーだけ気にしていては、健康的に痩せることができません。」(同)
――1日の総カロリー数と3大栄養素の割合はかなり重要な指標らしい。楽に痩せるダイエットばかりが流行するが、そんなダイエットなど存在しないのかも知れない。
「1日の総カロリー数と3大栄養素の割合について触れていないダイエットは基本的にウソだと思っていいでしょう。厳密に言えば『すべて』とは言い切れませんが、一般の人がインチキダイエットに騙されないための一番の指針にはなると思います。」(T氏)
楽をして価値のあるものは得られない
――本来、人生において本当に価値のあるものは簡単には手に入らない。「努力は一切必要ない」「誰にでも簡単できます」というのは詐欺の常套句である。そもそも、楽して価値のあるものを得ようとすることが間違っている。だまされてはいけない。
「この本で紹介するメソッドとノウハウは、実践しやすいものになっています。ダイエットの原理原則をわかりやすく落とし込んだので複雑ではありません。食べ合わせがどうとか食べる順番を気にする人が多いですが、そんな細かなことをいちいち気にしていたら脳がフリーズしてしまいます。」(T氏)
「性別、身長、体重、年齢、活動量から1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスを導き出しています。あとはそれに沿って食べるだけです。」(同)
――本書で紹介されているメソッドは、シンプルさにこだわっている簡単な食事法である。シンプルさにこだわったのには、一時的なメソッドにしてほしくないからだとT氏は答えている。正しい食事法を覚えたい人には価値ある1冊となるだろう。
参考書籍
『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(KADOKAWA)
※なお本記事用に本書一部を引用し編纂した。
尾藤克之
コラムニスト
<第6回>アゴラ著者入門セミナーのご報告
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次回の著者セミナーは8月を予定。出版道場は11月を予定しております。
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