トランプ米大統領は、あらゆる意味で型破りです。就任からわずか6ヵ月を過ぎたばかりだというのに、USAトゥデーの世論調査(7月17~19日実施)で、実に46%が「トランプ米大統領は任期を全うしない」と回答するとは、前代未聞ではないでしょうか。任期を満了することに「自信を持つ」との回答は27%で、およそ4人に1人だったといいます。ちなみに同紙は中道寄りとされつつ2016年の米大統領選では初めて中立性を捨て、クリントン候補を支持すると表明したことが思い出されます。
ロシアゲートに揺れ、仏大統領夫人への発言が問題視され、パリ協定離脱を表明し、NAFTA再交渉を求め、鉄鋼輸入の調査をめぐり米通商拡大法232条の適用を検討し、イスラム教6ヵ国への渡航禁止を言い渡すなど様々な話題を提供してくれるトランプ米大統領。たとえUSAトゥデー紙の世論調査で半数近くが任期前の退任を予想していようとも、支持率は40%を少し割り込む程度にとどまっています。
トランプ米大統領、支持率の変化。
(作成:My Big Apple NY)
何より、トランプ米大統領を支持する州も決して少なくありません。1~6月の平均支持率50%超えの州は、50州のうち17を数えるというではありませんか。ギャラップによると、17州は西側から以下の通り。
1. ウェストバージニア州 60%
2.ノースダコタ州 59%
3.サウスダコタ州 57%
4.モンタナ州 56%
5.ワイオミング州 56%
6.アラバマ州 57%
7.オクラホマ州 54%
8.カンザス州 53%
9.ケンタッキー州 53%
10.アーカンソー州 53%
11. アイダホ州 53%
以下、順不同 12.ルイジアナ州
13.ネブラスカ州
14.テネシー州
15.ユタ州
16.アラスカ州
17.サウスカロライナ州
逆に1~6月の兵器に支持率ワースト10州は、以下の通り。さすが、社会民主主義者のバーニー・サンダース上院議員を選出したロードアイランドがトップを飾っています。その他、マサチューセッツ州やカリフォルニア州、NY州、ワシントンD.C.など予想通りのリベラル寄りが軒並みそろいました。
1.バーモント州 26%
2.マサチューセッツ州 29%
3.メリーランド州 30%
4.NY州 30%
5.カリフォルニア州 30%
6.コネチカット州 31%
7.ハワイ州 34%
8.ニュージャージー州 36%
9.イリノイ州 36%
10.ワシントン州 36%
2016年の米大統領選の結果と、当然ながら整合的です。
(出所:270 to win)
トランプ米大統領は、その名の通り大統領選で勝利した後は支持者にとってはエースであり、不支持者にとってはジョーカーであり・・そんな状況が手に取るように分かりますね。
色々あった医療保険制度改革(オバマケア)代替案をめぐり、米上院は25日に動議を採決する予定です。左瞼の血栓除去手術で脳腫瘍が発覚したものの、休んでいたジョン・マケイン議員(共、アリゾナ州)は幸い評決前に上院へ戻ってくる目途が立ちました。ただ、未だ動議にも中道寄りのスーザン・コリンズ議員(共、メイン州)、右派のランド・ポール議員(共、ケンタッキー州)が反対の意志をちらつかせ、あと1人反対が出れば否決となる見通しに変わりありません。否決されたとしても再度動議に持ち込めばよいとはいえ、トランプ政権としては下院案、上院案①、上院案②、単なる撤廃の4つの選択肢のいずれかで合意にこぎ着けてもらい、支持率浮揚につなげたいところでしょう。
(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年7月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。