7月お薦めの本。一挙紹介


梶山三郎著『トヨトミの野望』

トヨタ自動車の2つのタブー
・持ち株会社への移行
・豊田章男社長の適性
に鋭く切り込む。

とにかくカネを使いたがる技術屋からの要望に対し、どう納得して諦めてもらうか(P127)など具体のシーンが、とても参考になる。


岡田武史・羽生善治の対談『勝負哲学』

ワールドカップで、5人のMF全員を横に並べた伝説的な起用について、
・答えを模索しながら思考やイメージをどんどん突き詰めていくうちにロジックが絞り込まれ、理屈がとんがってくる。ひらめきはその果てにふっと姿を見せるものなんです。

と、岡田武史さんが語れば、

・数多くの選択肢の中から適当に選んでいるのではなく、いままでに経験したいろいろなことや積み上げてきたさまざまなものが選択するときのものさしになっています

と、羽生善治さんが返す。(P22)

何度読み返しても深~い本。


原田マハ著『総理の夫』

日本初の女性総理を、野鳥学者の夫の視点で語るという斬新な構成。

理想を高々と掲げ、抵抗勢力も惚れ込んでいく。菅さんは出ないが、清々しい本


武田忍著『燃えない電池に挑む』

ものづくりのプリンシパルやダイナミズムがよく伝わる本。

行政や企業の巻き込み方も秀逸。

80歳を迎える社長の活力や健康法も注目。


福島利之著『クルド人 国なき民族の年代記』

国家を持たない最大の民族クルドの歴史を丹念に取材した本。

「これではクルド人がサダム・フセインの圧政から自由になった意味がない。新聞は世の中の真実を伝えていない。将来、クルド人が国を持つ時に必要なのは、いかなる権威からも独立し、読者に真実を伝えられる新聞だ。」(P196)という言葉が印象に残る。

平和で豊かな日本では、残念なことに、表面的かつ一面的な記事が増えてきているように感じられるが、この本からはジャーナリストの矜持が伝わる。


<井上貴至 プロフィール>

<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち
学生・卒業生への熱いメッセージです!

<井上貴至の提言>
杯型社会に、求められること


編集部より:この記事は、愛媛県市町振興課長(総務省から出向)、井上貴至氏のブログ 2017年7月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。