AI(人工知能)同志が独自の言語で話し始め、危険を感じた研究者がAIを緊急停止したというニュースが流れている。より詳しい報道を見ると、片方が‘I can i i everything else’と話しかけ、他方が ‘balls have zero to me to me to me…’と回答したというように、英文法が無視されたらしい。
一方で、AIを上手に利用して人々を助けるアプリも報道されている。米国Microsoftが開発した”Seeing AI”は、視覚障害者の生活を支援するアプリである。
”Seeing AI”を搭載したスマートフォンを対象に向けると、六つのサービスが音声で提供される。短いテキストをそのまま読み上げる。書類のページ全体がカメラに入れるように指示を出したうえでテキストを認識する。バーコードの位置を探し商品の情報を提供する。周囲の友人を喜怒哀楽も含めて認識する。周辺の光景を伝える。各国紙幣を認識する。
視覚障害者とお茶を飲む際に「3時の位置にコーヒー、7時にケーキ、12時に砂糖」などと時計盤に照らして位置を伝えることがある。そんなヒトによる支援に加えて、”Seeing AI”があれば視覚障害者の社会参加が容易になる。これはAIのよい活用法である。
今のところ”Seeing AI”は米国内だけで利用できるようで、僕のiPhoneへのダウンロードはできなかった。日本マイクロソフトには対応を急いでもらいたい。
独自言語も開発できるAIだから、そのうち人間を支配するだろうという意見がある。しかし今は、”Seeing AI”のように人間を助ける活用法の開発を進める段階である。AIの良し悪しは使い方次第である。