池田信夫氏にもう1つ聞いてみたい「官製バブル」崩壊の可能性

昨日書いた「池田信夫氏に聞いてみたい「日銀の出口」」という記事に関して、たくさんのアクセスがありました。

日銀の国債購入は400兆円を超え、それによって国債価格が上昇(金利は低下) しています。国債マーケットにおける「官製バブル」が形成されているのです。

池田信夫氏の記事によれば、日本にはもう一つの「官製バブル」があるといます。それは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀の日本株式の購入です。

図表は、日本経済新聞から引用したものですが、GPIFと日銀を合わせた日本株の保有残高は50兆円を超えています。東京証券取引所第一部の時価総額は約600兆円ですから、1割弱のシェアとなります。日銀によれば、この程度のマーケットでの存在感であれば購入を増やしても「すぐに問題は起きない」という見解のようです。エコノミストによれば、日銀の株式購入によって日経平均は2000円程度底上げされているという試算もあります。

国債市場における価格上昇と日本株式市場における価格の下支え。このような官製プレイヤーの動きは、市場経済メカニズムに基づく、健全な価格形成を歪めている可能性があります。

中長期に市場メカニズムによってこのような歪んだ価格形成が是正される可能性があるとした場合、問題はそのプロセスです。原因は異なりますが、リーマンショックの時のような、急激な価格の調整は、投資家に大きなダメージを与えます。

果たして、このような2つのマーケットで起こっている「官製バブル」は、どこまで維持継続可能なのか。そして、崩れるとすれば、何をきっかけにどのような展開を覚悟しておいた方が良いか。この点も8月26日の第6回世界の資産運用フェアのパネルディスカッションで、池田信夫氏にぜひ聞いてみようと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。