リサイクル率10年連続日本一の町のプロセスとは!?

鹿児島県大崎町。

約13,000人の小さな町だが、リサイクルの取組で全国から注目を集める。一般廃棄物リサイクル率は10年連続日本一(83.2%)。全国平均(20.4%)を大きく上回る。埋め立て処分と比べると、毎年1億円以上の処理費用を削減しているという。

<菜の花エコプロジェクト>
生ごみや畜産の糞尿などは、そおリサイクルセンターで堆肥化され、菜の花畑などにまく。詳しくは、こちら(大崎町役役場ホームページ)

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<インドネシアへの輸出>
最近は、その技術やノウハウをインドネシアにも輸出。ゴミが、新たな産業にもなっている。

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理想的な循環のプロセスは、どのように生まれたのだろうか?

今から15年以上前、たった2名の役場のゴミ処理担当職員が、動き出した。まだ分別とか、リサイクルという言葉もない時代だ。3か月あまりの間に、140強の集落を全て3回周り、その意義を強調したという。

「このままゴミが増えると、埋め立て処分場を作らなければならない。莫大な建設費がかかるし、毎年維持費もかさむ。」

「今の埋め立て処分場の近くにある人も困っている。新しい処分場は、あなたの自宅の隣にできるかもしれない。」

分ければ資源、混ぜればゴミ

他人事ではなく、自分事として考えてもらうよう工夫した。その結果、満足はしないが、納得する声が広がったという。

実際の導入に当たっては、まず、役場の全職員向けに、分別の研修を実施。職員が各集落を回りお手本を示した。当初は、分別しやすい缶や瓶から始め、次第に対象を拡大し、難しい生ゴミは最後にしたという。今では27品目に分類している。

また、自治会の代表を、環境衛生協力員に任命。役場の職員だけが言うと角が立つこともあるが、地域の有力者から言ってもらうことで定着を図ったという。

まさに、情熱と理論の融合だ。今では、リサイクルの町・大崎町が大きく取り上げられ、住民の誇りになっているという。

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<井上貴至 プロフィール>

<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち
学生・卒業生への熱いメッセージです!

<井上貴至の提言>
間抜けな行政に、旬の秋刀魚を!


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2017年8月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。