民進党の新代表となった前原氏は、以前よりは大分スマートになったようだ。
一皮剥けた、というか、多少は可能性を感じさせるような差配ぶりを見せ始めている。
党内融和のために幹事長に枝野氏を登用するのではないか、などと言われていたのだが、枝野氏は代表代行というポジションに置いて、実際に党運営の要となる幹事長に山尾志桜里さんを登用することにしたのは多分クリーンヒットになる。
政府自民党が女性の活躍推進とか女性の管理職を増やすために様々な施策を検討している時代に、旧民主党時代のスターなどを並べても何のサプライズにもならなかっただろうが、山尾さんならそれなりに華があり、ひょっとするとひょっとするぞ、と周りの人に思わせるところがある。
民進党の今回の人事はそれなりに成功のようである。
如何にも党内融和を優先しているように見せて、実際には前原氏が自分の方針を貫徹できるような体制を構築しようと努力しているように見えるところがいい。民進党の初代代表の岡田氏も山尾氏が幹事長に抜擢されることについては何も異議を述べることは出来ないはずである。
これで前原氏が、代表選に名乗りを上げようとして推薦人が足りず立候補を断念した井出庸生氏を然るべきポストで処遇するようにでもなれば、民進党はそれなりに変貌を遂げたのではないか、多少はましになるのではないか、というそこはかとない期待感を醸成することになる。
衆議院の法務委員会での共謀罪関連法案の審議の際に民進党を代表して参考人質疑に立った山尾さんは論旨も明快で、説得力もあったと思う。
検察官出身で法律にも明るい、というのがいい。
山尾さんの幹事長としての適性に疑問を投げかける向きもあるが、前原氏が代表選の過程で約束した中堅・若手を抜擢するという方針をとりあえず実行に移したことはいいことである。
まあ、ネット界隈で山尾バッシングがまたまた始まるのだろうが、大した支障にはならないはずである。
どんなバッシングがあっても、今はまったくめげる必要はない。
前原代表・山尾幹事長体制で、当面やれることはしっかりやってみることだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年9月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。