昨日(9月13日)の夕方、TBSのニュース番組に拓殖大学大学院特任教授武貞秀士氏なる人物がゲストとして出演していた。猪木議員に同行して平壌に行って来たとのことで、市内の現状について、何葉かの写真とともに紹介していた。
ちょうど国連安全保障理事会で北朝鮮への追加制裁法案を議論している時期でもあったので、北朝鮮の首都、平壌はどんな雰囲気なのか、非常に興味を持ってテレビに見入ってしまった。
昨年訪問したときより街がカラフルになった気がする、庶民は落ち着いた生活ぶりで、特段の緊張は見られなかった・・・云々のお話だったが、テレビ局側の突っ込みが足りないのでは、と思った点がある。
今回の追加制裁案については、当初アメリカが「石油の全面禁輸」を草案に織り込んでいた。最終的には、常任理事国で拒否権を持っている中露の同意を取り付けるために、原油は過去12ヶ月実績マックスの400万バレル(約64万KL)、石油製品は12ヶ月実績450万バレルの半分以下の200万バレル(約32万KL)に制限することとしたことは読者の皆さんもご承知のとおりだ。
つまり「石油問題」が今回の「制裁案」の一つの目玉だったのである。
武貞氏は、平壌の目抜き通りと思われる交差点で交通整理をする女性保安員(日本でいえば交通整理の女性警察官、と解説していた)の写真を見せながら「平壌にも信号はあるんですが、写真映えがするためか、よくこのような若い女性保安員が交通整理をしているところに案内されます」と説明していた。
さらに、行動が規制されることはなく「軍、警察関係の建物や、軍服を来た兵士、あるいは建設中の建物などの写真撮影は止めて欲しいと言われるが、基本的には自由です」「自分は街を自由に、横丁まで入り込んで歩きました」と報告していたのだが、では、なぜガソリンスタンドが話題に上らなかったのだろうか?4日ほど滞在されたはずだが、その間、ガソリンスタンドを1軒も見かけなかったのだろうか?
石油の年間消費量が850万バレル、約135万klだとすると、約1億9,000万KLの日本の0.7%、人口が4分の1だとしても一人あたりの消費量は3%以下、という計算になる。
そういえば10年ほど前、街そのものが「世界遺産」になっているラオスのルアンプラバーンに行ったとき、飛行場からホテルまでの道筋に信号もガソリンスタンドも無かった。貸切のミニバスに同乗していた日本語通訳のラオス青年に聞いたら、胸を張って「街の中心に一箇所、交通信号があります」と言っていたなぁ。
北朝鮮の本当の姿、もっと知りたいなぁ。
編集部より:この記事は「岩瀬昇のエネルギーブログ」2017年9月14日のブログより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はこちらをご覧ください。