安室奈美恵が引退を発表した。お疲れ様。衝撃を与えているようだが、良いことだと思う。ずっと「安室ちゃん」であり続けることは厳しいからだ。「Body Feels EXIT」ということか。
このように「降りていける社会」になることを歓迎する。これもまた彼女なりの「TRY ME~私を信じて~」ということだろう。「Don’t wanna cry」なのだ。
安室奈美恵は常に衝撃的であり続けた。沖縄出身の美少女が歌い、踊るインパクト。そして、ちょうど20年前、20歳での結婚・妊娠発表。様々なプライベートな出来事もあったが、その後も彼女は「安室ちゃん」で居続けた。小生は43歳だが、10歳も20歳も若い子たちが「安室ちゃん」と呼ぶことに違和感を抱いたりしたこともあった。何気に年齢や芸歴は気にする方なので。「安室さんだろ」と注意しそうになったが、ジャニーズの構成員が何歳になっても「くん」付けであるのと同様(ただ、私の大好きな近藤真彦さんは、マッチさんだからな、東山紀之はヒガシって呼び捨てな)、安室奈美恵は「安室ちゃん」なのだろう。「You’re my sunshine」ということだ。
引退の詳細な理由、真相はまだ明かされていない。ただ、別に外野が騒がなくてもいいと思う。安室奈美恵は20数年間にわたって「安室ちゃん」であり続けた。別に何歳で辞めてもいいではないか。
これ以上「安室ちゃん」であり続けることも、やや厳しいのではないかと思ってしまう。別に違うスタイルで復帰してもいい。それこそ、女優業、タレント業、あるいは後身の育成だっていいだろう。
40男としては、松井秀喜が引退、SMAPが解散したのと同様のショックはある。ただ、こういう生き方があってもいいのではないか。
人生100年時代という言葉がバズワード化しており、与党の議員なども連呼するようになっており、ついには「人づくり革命」という言葉まで政策化する時代である。人生100年という言葉の独り歩きや、そのような社会の設計が機能するかどうかには違和感を抱いてもいるのだが。さらには革命という言葉を安易に使うのは、歴代の革命家と、プロレス界の革命戦士たちに謝れと言いたくなるのだが。ただ、人生100年なんてことを言う人、そんなことを提唱する与党を支持する人は、安室奈美恵引退を否定してはいけないのではないか。それこそ、あれだけの大スターが、一庶民になれる社会、今から学び直して違う職業に就く社会はそれはそれで豊かな社会だと思う。
安室奈美恵さん、お疲れさま。
私はもう少し、働くよ。
Can you Celebrate?
編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年9月21日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は安室奈美恵さんのシングル「Hero」より)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。