年寄りは働かせるに限る --- 天野 信夫

寄稿

日本全国で90歳以上は200万人を越え、100歳以上は67,000人いるそうです。このあいだの「敬老の日」の新聞で知りました。凄いものです。

私は地元の老人会(この名称は、最近は使われていませんが)に加入しています。私はヒラ会員ですが、老人会を取り仕切る役員は13人います。皆さん、とてもお元気です。13人中、主流は70歳代後半で、私より若い人は1人しかいません。

高齢でも元気で能力のある人はたくさんいます。そう言えば、高齢者ばかりで運営している企業の紹介をテレビでみたことがあります。うまくいっているそうです。高齢者は経験と知識があります。ないのは体力ですが、デスクワーク中心であれば、元気な高齢者ならできます。初任給並で働いてもらえれば、企業も高齢者も助かるでしょう。

今でも60歳で定年のあと、大抵の人は再雇用で65歳まで働いています。将来は65歳が定年になります。65歳から75歳までの10年間が狙い目です。趣味やスポーツやボランティアもいいですが、それだけではもったいない感じがします。時間を限って働いてもらえれば、仕事とそれらは両立できるでしょう。

元気な高齢者に仕事をしてもらうことで、今の人手不足を緩和できます。仕事をする高齢者は生きがいを得て、病気になりにくくなります。国の医療負担も軽減されるでしょう。高齢者がどんどん稼いで税金を納めてもらえば、国の財政にも好影響を与えるでしょう。

「人づくり革命」なんて言うよりも、既に「出来ている人」を使うのです。2055年には、4人に1人が75歳以上になってしまいます。その前に日本を再生するなら、もう一度言いますが65歳から75歳までが狙い目です。年寄りは働かせるに限ります。

天野 信夫 無職(元中学教師)