「こどものまち」から子ども若者参画の必要性を考える

こどものまち「ミニいちかわ」へ行って来ました

昨日は市内各地を走り回る合間に、コルトンプラザ横の現代産業科学館前で行われている子どものまち「ミニいちかわ」を見て来ました。

「ミニいちかわ」は毎年子どもたちを連れて参加しており、昨年は開催された両日とも終日お店屋さんの一つを手伝わせてもらったりもしていました。

今年は市川市長選挙への出馬表明記者会見をした事もあり、時間的にも忙しく終日というわけには行きませんでしたが小学生の娘たちを連れて行きがてら顔を出し、「ミニいちかわ」の「副市長」を務める小学生に街を案内していただきました。

写真は、「ミニいちかわ」に最初に来た子どもたちがお店屋さんなどで働くために職安に並んでいる様子です。

「ミニいちかわ」とは分かりやすく説明すればキッザニアのように職業体験などを通じて子どもたちが遊びながら学ぶというものです。

「ミニいちかわ」のまちには、子どもたちのアイデアがいっぱい詰まったお店や、市役所、警察、銀行などの公共機関、またスイーツやマックといった食べ物屋、乗り物・アクセサリーショップなどもあります。遊ぶことを通して、まちのしくみやコミュニティとの関わりも学べます。

「こどものまち」はドイツのミュンヘンで始まりました

「ミニいちかわ」の様な取り組みを「こどものまち」と呼んでいますが、こうした取り組みはドイツのミュンヘンで始まりました。1979年の国際児童年に第1回「ミニミュンヘン」が開催されたのが始まりとされており、現在もミュンヘンでは2年に1度開催されています。

日本では、2002年に佐倉市で行われた「ミニさくら」が先駆けとなり、同年に仙台市でも行なわれ、翌2003年10月に全国3番目として始まったのが「ミニいちかわ」です。現在では、日本全国25都市で28主体が実施するまでに広がっています。

2003年から始まった「ミニいちかわ」は、2009年度に千葉教育大賞(千葉日報社主催)準大賞を受賞、2012年には10周年を迎え、全国のこどものまち主催者が集結する「こどもがつくるまち全国主催者サミット’12in千葉」も開かれました。

参画のプログラムは、こどもの学びだけでなく大人の学びにもなっている

「ミニいちかわ」では、「子どもの参画」、「子どものコミュニケーション力を育み」、「大人の学びの場」がめざされています。

小学4年生以上の子どもスタッフを公募し、子どもたちとユーススタッフが一緒にまちのしくみやブースの内容などを決めていきます。当日参加の子どもたちは、子どもスタッフと共に仕事の内容やまちの自治について考えていきます。子どもたちの手で、まちがどんどん変化していきます。子どもたちは、様々な年齢の子ども同士の遊びの中でお互いの違いを認め合い、ぶつかったり協力し合ったりしながら多くの事を経験し、人との関係性を築いていきます。

また副次的な効果として、子どもの力を信頼する大人が増えています。大人は子どもたちの活動をサポートしていく中で、様々な子どもの個性に出会い、子どもの声を聞き、子どもたちとの信頼関係を築いていきます。また当日関わる大人は、子どもの力に気付き子どもとの関わり方を見直していく場にもなっているとされています。

「18歳選挙権」実現も若者参画や民主主義の質を高めるため

私自身、母校、国府台高校で生徒会長を務め、現在も親友である東葛高校の生徒会長などと千葉県生徒会連盟を創って、「自分たちの事は自分たちで決める」と生徒自治の必要性を求めていた事が、現在の様々な活動の原点になっています。

学生時代の2000年に「選挙権年齢の引き下げ」と「政治教育の充実」から若者の政治参加を進めようと立ち上げたNPO法人Rightsでの活動によって、2015年には「18歳選挙権」を実現しました。

こうした取り組みは、「未来を担う子どもや若者を社会の当事者として参画してもらえる社会を創ろう」という想いと共に、「日本の民主主義の質を高めよう」と取り組んで来たものです。

「こどものまち」についても、「ミニいちかわ」のほか、千葉市の子ども若者参画・生徒会活性化アドバイザーとして、2009年から千葉市で行われる「こどものまちCBT」にも職員として関わって来ました。

ドイツでは実際の公園までも子どもの意見によって創られる

代表理事を務める先述のNPO法人Rightsでは2014年にドイツ視察に行って来ました。

私自身も小学校時代の3年間をドイツで育ったのですが、ドイツでは地域の公園をリニューアルする際には、その周辺に住む小学生などを集め、「どういう公園にしたいか」「どんな遊具が欲しいか」などと話を聞き、こどもたちが考えた通りのコンセプトや遊具の公園が実際にできて行きます。

NPO法人Rightsドイツ視察報告

こうした子ども若者参画の先進国では、既に子どもの参画は遊びやごっこではなく、こうした体験が実際の参画に結びつく形になっています。

アドバイザーを務めた千葉市でもこうした子ども若者参画の日本におけるモデルを構築しようと取り組んで来ましたが、是非、市川市を日本一の、さらには世界に発信できる自治体モデルにできればと思っています。

 

高橋亮平 公式サイト