不倫がバレてトラブルになった人の相談をたくさん受けていると、(男女を問わず)愛人の品格のようなものを感じることが稀にあります。
不倫に品格もなにもないというご意見もあるでしょうから、あくまで以下は私の主観的感想です。
まず、(男女ともに)品格ある愛人は、相手にキャスティングボートを握らせません。
「いつになったら離婚してくれるの」などと迫るのは明らかに相手にキャスティングボートを握らせており、相手に選択の余裕を与えてしまいます。いきおい、力関係も相手の方が上になります。
品格のある愛人は、キャスティングボートを自分で握ります。
相手だけでなく他の異性とも付き合うなどして、自分の選択肢を確保する方法が一番多いようです。
「いつ別れても構いませんよ」という余裕を見せると、慌てるのは相手の方になります。
相手に本気度が見受けられない場合は、表沙汰になる前にサッサと相手を捨てて事実を闇に葬ります。
品格ある愛人は、自分を大切にします。
お忍び旅行に行く場合も、別々の部屋をとったり、中には列車や飛行機も別々にする人もいるようです。
万一不倫がバレると、自分が相手の配偶者から慰謝料請求をされる恐れがあります。双方既婚者であれば痛み分けですが、自分が独身だと自分だけが一方的に損害を被ることになりかねません。
自分を大切にする愛人は、一方的な損害を被らないよう、自分を大切にしているのです。
品格のある愛人は、バレたときにも動じず被害を最小限に止めようとします。
配偶者の依頼を受けて内容証明郵便を送ると、すぐに本人が電話を架けてきて、「200万円なら払います。その代わり和解書に”一切口外しない”という条項を必ず入れて下さい」という人が何人かいました(全員が女性です)。
あまりの清々しさに驚きましたが、きちんと慰謝料の相場を調べた上で、拡大被害を止める姿勢はあっぱれでした。
残念ながら、少なくとも私は、こういう清々しい不利相手の男性は知りません。女性の強さを認識させられました。
相手の家庭を破壊して漁夫の利を得ようとするのは、最も品格のないやり方です。
そんなことをすれば、相手からも愛想を尽かされて配偶者と相手の連合軍で慰謝料請求されてしまいます。
夫婦そろって相談に来て、片方の不倫相手に対する慰謝料請求を依頼されるケースも”まま”ありました。自ら不倫をしておいて相手を売るような人物には呆れるばかりですが、多くは愛人側の破壊工作の失敗の結果でした。
弁護士に相談したり依頼したりする不倫事件の多くは、ズブズブの泥沼のケースがほとんどです。
泣くわ、わめくわ、一方的に相手のせいにするわが・・・まあ普通でしょう。そういう中で、たまに品格ある愛人を見ると、一服の清涼剤になります。
それだけ毒された世界を見せられてきたわけですが、実は世の中の裏側では日常茶飯事なのです。
事実があっても知らないほうが幸せなのかもしれません😅
編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。