こんにちは、小林史明です。
国会議員になってから約5年間、大学生のインターン受入や青年局での活動を通じて、若い世代との交流会など、若手議員の仲間とともに日本の課題について意見交換をしてきました。(写真はその時の様子です)
今回の選挙は、選挙権年齢が18歳に引き下げられて初めての衆議院選挙になります。投開票日は10月22日。年度内の折り返しを過ぎているので、学校によっては高校3年生のクラスの半分程度の生徒が投票権をもっているかもしれません。そこで今回は、初めて投票権を手にした皆さんに向けて、どのように選挙に向き合うか、お伝えしてみたいと思います。
前回衆院選の20代投票率は史上最低
いきなりショッキングなデータになりますが、先にご覧ください。
こちらは過去50年間に行われた衆院選の年代別投票率です(引用:総務省サイトより)。
グラフで一目瞭然ですが、20代の投票率はかなり低いです。平成に入ってから低下傾向に拍車がかかり、小泉総理が郵政民営化を問いかけた平成17年(2005年)の郵政選挙と、自民党と民主党(当時)が政権をかけた平成21年(2009年)の選挙は注目度が高く、一時的に回復しました。しかし、その後は再び30%台に低迷し、前回、平成26年(2012年)の20代投票率は32.58%と、史上最低にまで落ち込んでしまいました。投票率の低下は深刻な状況です。
ただし、10代の投票率については、初めて対象となった昨年の参院選で46.78%と、20代(35.60%)、30代(44.24%)を上回りました。この結果は明るい未来を感じます。
投票に行かないと「もったいない?」
昨年のイギリスのEU離脱の是非を問うた国民投票の際には、18〜24歳の7割、25〜34歳の6割が、世論調査で残留支持だったにもかかわらず、実際に投票に行った18〜24歳は36%、25〜34歳は58%に留まりました。
一方、35歳以上は7割、シニア世代は8割に達し、最終的に離脱派が数ポイント差で勝利しました。いまイギリスはEUからどう離脱し、経済成長を維持できるのか、非常に厳しいことに直面しています。投票に行かなかった若い世代の多くは悔やんでいることでしょう。
あなたの一票が、国とあなた自身の将来を決めてしまうことが本当にあることが、知っていただければと思います。
日本では、上記のグラフからわかる通り大人世代も含めて、選挙に行かない人が多いのも事実です。私は嫌いな言葉なのですが、「シルバー民主主義」という言葉があるように、そもそも少子化によって、年代別人口でご年配の方のほうが若者より数が多く、シニア世代の意見が通りやすいという構造になっています。
だからといって、若者世代が「投票にいってもムダだ」と思うと、若者世代の声が政治に反映されなくなります。。
たとえば社会保障制度。これまでの制度は、若い人の数のほうが多い時代に、戦後の影響で資産が乏しいシニア世代をサポートするために作られたこともあり、シニア世代に手厚い仕組みになっています。
しかし現在、若い人たちは、所得が低かったり、就職氷河期の頃の影響によって非正規で働き続けている人たちがいます。このような状態では結婚して子育てをするにも負担が大きいのが現実です。若い人は支える側、シニアは支えられる側というこれまでの考えを大きく転換して、世代を問わず、本当に困っている人たちにもっとサポートが行き渡る社会保障制度に切り替える必要があるのです。
先日のブログでも書きましたが、そうした背景があって、消費税の使い道を変えることで、社会保障制度を「全世代型」に転換する(幼児教育の無償化など)と公約しました。若い世代の将来を考えた政策を問いかけられた時、賛成でも反対でも意思を示さないことはもったいないことだと思います。
「自分ごと」を取っ掛かりにしてみよう
では、初めて選挙権を持ち、投票に向き合うとき、どこから考えればいいのか?
今ある日本の仕組みや、政治に対しさまざまな思いの中で、不安や理不尽を感じることもあるでしょう。私の学生時代、就職活動をした2000年代半ばは、たまたま景気がいいタイミングに巡り合わせましたが、私の数年後輩はリーマンショックの影響で何十社回っても内定が取れずに苦労していました。自分の力だけでどうしようもない、社会の壁に直面する時こそ政治の出番です。
学生時代は学費のこと、社会人としての就職のこと、まず、政治に関する情報を自分自身に照らし合わせ、「自分ごと」で見る視点を持つことが大切です。メディアやSNSを通して日々知り得るさまざまな情報から、政治のニュースに対する受け止め方や関心が違ってくると思います。政党や地元の政治家のウェブサイトに書いてある政策ページにもアクセスしてみてください(ちなみに自民党の政策パンフレットや、私のサイトはこちらからご覧になれます)。
さらに、私からは、家族と一緒に投票に行くことをお勧めします。
総務省が10代の有権者に行った調査では、18歳の7割が家族と投票に行ったと回答しました。投票に行った10代の多くが小さい頃から家族の投票についていったことがあるというデータも出ています。政治への関心の大きさは家族の影響が大きいことがわかります。
投票を取り巻く環境にも変化が出てきています。以前は、投票所の中に連れて行くことができるお子さんは幼児に限られていましたが、昨年6月に公職選挙法を改正し、18歳未満にまで拡大されました。まだ選挙権を手にするまで数年ある中学・高校生のかたは、保護者と一緒にいかれてもいいでしょう。
保護者のかたもぜひお子さんを連れて、お父さんお母さんが将来に向き合う姿を、実際の投票の様子を通じてお子さんにみてもらうようにしていただければ幸いです。
世界各国で世代や思想の分断による混乱がおこっています。日本で同じような混乱が起こることのないよう、今回の選挙を機会に、自分たちの国の将来と向き合い、落ち着いて考える重要な機会という意識をみんなで共有していけたら嬉しいです。