反省するなら猿でも出来ると言うが、この際ご自分の過ちを徹底的に反省された方が立ち直りは早いと思う。
偶々日本にいないことを幸い、自省の日々を過ごされることだ。
帰国したから散々にマスコミから追われることになるだろうが、徹底的に反省されておられればこれ以上傷が深くなることはない。
希望の党から立候補された若い方々の心に響くような暖かいメッセージをなるべく早く送られることだ。
共産党が候補者をどんどん降ろして全面的に選挙の支援をしたからこそ立憲民主党の候補者は各地の選挙で予想外の健闘をすることになり、大躍進を遂げることが出来た。
支持率5パーセント程度の民進党のままではおよそ考えられないような大変な成果なのだが、立憲民主党で当選した主要な顔触れは、悪評ふんぷんだった民主党内閣時代のスターが殆どだったのだから、小池さんなり希望の党の対応が周到だったら、ここまで立憲民主党が躍進することもなかっただろうし、希望の党の候補者が次から次へと落選の涙を流すこともなかっただろうと思う。
本当の軍師が小池さんに付いていたら、まず立憲民主党の立ち上げを許すこともなかっただろうし、仮に立憲民主党が立ち上がったとしてもあれほど大量に民進党の公認候補予定者の方々が立憲民主党から立候補するような事態は回避したはずである。
希望の党と立憲民主党が最初から棲み分けを考えていれば、希望の党がここまで窮地に追い込まれることはなかった。
どなたの発想か分からないが、立憲民主党から立候補する人がいる選挙区には刺客を送る、などという物言いをした人がいるらしい。
小泉純一郎元総理時代の郵政解散総選挙の再来を狙っての発言だったのかも知れないが、希望の党の苦戦を招いた直接の原因は、多分刺客発言だったろう思っている。
二番煎じは、どうもよくない。
排除発言とこの刺客発言で、ガラッと世間の雰囲気が変わった。
自民党が特に得票を伸ばしているわけではないのに結果的に大勝できたのは、立憲民主党と希望の党が非自民党票、安倍政権に批判的な無党派層の票の取り合いをして、結果的に従前の小池支持層の票の大方を取り逃がしたからだと思う。
勿論候補者本人の資質や日常活動も大きく選挙結果を左右しただろうが、希望の党の選挙戦略の稚拙さが希望の党の失速を招いた一因であることは否定し難い。
候補者の皆さんには実に気の毒なことをしてしまった。
地道に活動を重ねてこられた大事な選挙区を捨てさせて、縁もゆかりもないような選挙区に希望の党の候補者として送り込んでしまったのも、多分選挙戦略の間違いである。
小池さんにこういう選挙をやらせてしまったのは誰だ、と問い質したいところである。
多分、都知事選挙や都議会議員選挙当時の選挙参謀、選挙プランナー、広告代理店などが希望の党の陣営から去ってしまっていたのだろうと思う。
音喜多さんたちが都民ファーストから去ってしまっていたのも痛かった。
まあ、覆水盆に返らず、というところか。
もう一度やり直すことが出来ないのが、選挙である。
今度は上手くやる、などと言っても、まず来ないのが今度である。
選挙では、ささやかな間違いでも許されない。
もって瞑すべし。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年10月23日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。