トランプ米大統領が、遂にアジアを歴訪します。
既にご案内の方も多いでしょうが、スケジュールは以下の通り。
11月3日 真珠湾を訪問
11月5〜7日 日本を訪問、6日に安倍首相と首脳会談
11月7〜8日 韓国を訪問、7日に文大統領と会談、国会で演説
11月8〜10日 中国を訪問、8日に習主席と会談
11月10〜11日 ベトナムを訪問、10日にAPEC首脳会議に出席、11日にベトナムのクアン国家主席と会談
11月12〜13日 フィリピンを訪問、13日にドゥテルテ比大統領と会談
公式実務訪問賓客として来日するとあって、24日にはトランプ大統領が天皇・皇后両陛下と会見すると正式発表がありましたね。横田めぐみさんの両親など拉致被害者家族との面会と合わせ、北朝鮮をめぐり日米がどのように足並みを揃えてくるのかも目が離せません。大方の予想通り、安倍首相とトランプ大統領のゴルフツアーも決定済み。この方がご指摘されたように、世界ランク4位の松山英樹選手とコースをまわる予定ですね。安倍首相が訪米した際には、元世界1位のアーニー・エルス氏が参加してましたっけ。
日米首脳夫妻、今回はどんな装いでカメラの前に立つのでしょうか?
衆院選での大勝を受けてトランプ大統領が安倍首相にお祝いの言葉を贈るなど極めて良好な関係が伺えますが、この電話会談は果たして何回目だったのでしょうか?せっかくなので数えてみました。全て網羅しきれていない可能性があるほか、ホワイトハウスのリリースを基に作成している日付が多少前後する点をご了承下さい。
1.1月21日 安倍首相、トランプ大統領の就任に合わせ祝意を表明
2.1月28日 安倍首相の2月訪米を前に、日米同盟関係について協議
3.3月6日 北朝鮮の弾道ミサイル発射に合わせ、韓国の大統領代行とも電話会談
4.4月5日 北朝鮮の弾道ミサイル発射について協議
5.4月8日 シリア問題について協議
6.4月24日 詳細表記なし
7.7月2日 北朝鮮の脅威について
8.7月30日 北朝鮮によるICBM発射問題について協議
9.8月15日 トランプ大統領は北朝鮮の脅威から同盟国を守る再確認
10.8月29日 北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した問題について協議
11.8月30日 北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した問題について協議し緊密な協力を確認
12.9月2日 北朝鮮問題について協議
13.9月3日 北朝鮮による水爆実験について協議
14.9月22日 北朝鮮による挑発行為について協議
15.10月4日 ラスベガス銃乱射事件について安倍首相が哀悼の意を表明
16.10月22日 自由で開かれたインド太平洋地域の重要性や日米同盟関係を強調
トランプ政権発足から10ヵ月間で、16回に及びました。ちなみに2月は安倍首相の訪米で、5月はG7サミット(伊、タオルミナ)、7月にはG20サミット(独、ハンブルグ)で日米首脳会談を行っています。
他の首脳はというとメイ英首相が12回、メルケル独首相が11回、習主席が7回、トルドー加首相が6回、ペニャニエト墨大統領とは4回となっています。こうしてみると、いかにトランプ大統領と安倍首相の関係が良好かが伺えますね。ワシントン識者が「トランプ大統領にとって最も頼れる北朝鮮問題のアドバイザーは、安倍首相」と豪語するはずです。
そんな日米の蜜月っぷりを意識したのか、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は17日にこんな見出しを掲げていました——”トランプ大統領のアジア歴訪の柱は中国訪問ながら、外交上の都合で日本と韓国から訪問(Beijing visit is central to Trump’s Asia tour, but diplomacy dictates Japan, South Korea must come first)”——中国を真っ先に訪問しないトランプ大統領への憤りが感じられます。記事では日本の訪問は同盟関係の象徴に過ぎず、むしろ中国の滞在期間が日本と同じ3日であることが重要で「米国は日中とも重要だと位置づけているサイン」と指摘することを忘れません。さて共産党大会で「習氏思想」が同党規約が盛り込まれ毛沢東氏以来の権限を手にした習主席は、トランプ大統領をどのように歓待するのでしょうか?
(カバー写真:The White House)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年10月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。