福島県の地方紙「福島民報」の2017年9月23日付の記事が気になった。読者投書欄「みんなのひろば」右上最上段に “北朝鮮より怖い脅威あおる政権” との表題で安倍政権を批判する投書が載っていたのだ。
内容を要約すれば「20年も前から北朝鮮の方針は一定で日本においての脅威は増しておらず、それよりも北朝鮮の脅威を煽りつつ民進党の離党騒ぎのどさくさに付け込み、解散総選挙により、議席数を増やして軍事力拡大を狙う安倍政権は恐ろしい」との投書である。
人は何を信じようがかってであり、上記のような投書もまったく自由であるのは日本のような民主主義国家ではあたりまえの話ではあるがしかし、いちおうは公正を建前とする新聞社が特定の政党の言論をストレートに代弁する投書を右上最上段に掲載するのは如何にマスコミの使命は権力監視だとは言え、投書内容を見てもまったく偏っているとしか思えない。
東日本大震災後のマスコミ報道内容に外国の人から、日本のマスコミの報道内容には違和感を感じるとの意見をネットなどで散見することがあった。大震災原発事故以後、マスコミが狂奔したのは悪者捜しであり、原因追究などはまったくお構いなしの報道姿勢にびっくりしたらしい。諸外国の報道関係者は日本の報道には民主主義で選ばれたはずの権力執行者に対するオーナーシップ(所有者意識)が感じられないということだった。
現安倍政権であるが、国民に選ばれた自民党の党首が総理大臣を務め、与党である自民党が政権を担っているのは事実であり、国民の意向に反しているわけではない事は当たり前すぎる話である。しかし、マスコミは権力監視の名分をかさに着て、国家権力を我々の代表が執行している権力であるとの視点はまったくない。
権力執行の監視なら許されるが、日本の国家権力に敵対した報道内容では日本を仮想敵国とした国々と同じ立場になってしまうのはどこか変だとは感じないのだろうか?新華社通信などはそのような日本マスコミの報道姿勢をよく理解していて、時々日本のマスコミにエールやら叱咤激励を感じるような言説を流すこともある。
表題の投書内容などはかなり極端であり、もしも福島県民だけでなく日本全国民が内容を読めばどう感じるのだろう?
三品 一成
農業(自営)68才 福島県伊達市在住