個人的には悪くなさそうな人なんだが、この人が暫定的にでも希望の党の共同代表になるようだったら、小池さんにもう一度リセットボタンを押すように強く進言しておく。
希望の党のチャーターメンバーの方々がそんなことを了承するはずがないと思っているのだが、貧すれば鈍するで、苦し紛れでこういう愚策を推奨する人がいるかも知れない。
希望の党への合流を全会一致で決めた時の民進党の幹事長という重要役職を担っていた人が、いくら小池さんが国会議員の皆さんの協議に委ねたいと言ったとしても、これ幸いとばかりに、希望の党乗っ取りを画策するのは如何だろうか。
断崖絶壁から飛び降りるような決死の覚悟で民進党を離党した人たちのプライドをズタズタに切り裂くような仕打ちになってしまう。
希望の党の規約では党役員人事は党代表の小池さんが決めることになっており、両院議員総会の承認等の手続きは不要ということになっているそうだから、小池さんは、民進党の幹事長だった人が希望の党の共同代表に横滑りで就任するようなことは認めない方がいい。
これは明らかに譲り過ぎだし、新党結成に奔走してきた細野さんや若狭さんの献身的な努力を溝に捨ててしまうようなものだ。
民進党の代表の前原氏のこの度の乾坤一擲の賭けについての評価が決まるのは、まだ先のことである。
代表の前原氏を差し置いて幹事長の大島氏を希望の党の共同代表に持ってくる、というのも実に座りが悪い。
多分、大島氏はあらゆる組織で裏方を務めるに相応しい実直かつ誠実な人で、自分からそういうことを言い出すはずはないのだが、嫉妬が渦巻く政治の世界では若い人が表舞台に立とうとすると、とかく足を引っ張る人が現れるものである。
まあ、大島さんはどんなに周りから勧められても希望の党の暫定共同代表を引き受けられるのはお止めになった方がいい。
多分、希望の党の希望の芽を摘んでしまうことになる。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年10月26日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。