リセットして良くなるものもあるが、意に反して悪くなることもある。
リセットのつもりが、反ってぐちゃぐちゃになって起動しなくなった、なんていうことになったら大変なので、私は滅多なことでは電源までは抜かない。
糸が縺れてしまった時に解こうとして反って団子になってしまい、困ってしまって鋏で切ってしまうようなことをやりかねないので、大抵の場合はそのまま放っておく。
手先の器用な人や物事によく通じた人はあっという間に元通りにしてくれることがあるから、あまり自信がないことには手を出さない。
民進党がどうなるだろうか、と見守っていたが、どうやら現時点では最良の結論に達したようだ。
民進党がもっとグチャグチャになればいいと思っていた人は当てが外れてしまっただろうが、民進党の今日の両院議員総会で無投票、全会一致で参議院議員の大塚耕平氏が民進党の新しい代表に決まったそうだ。
どこの政党でも俺が俺がといつも出たがりの人がいるものだが、どうやら大塚氏は政策面に強い人のようで、元々党内の権力争いには大した関心がなく、人事には恬淡としておられたようだ。こういう人は敵が少なく、争い事は概して好まず、ひたすら自分に与えられた仕事に全身全霊で取り組むことが多いから、今の民進党にとっては最適な人なんだろう。
他にも何人か手を挙げそうな人がいたようだが、最終的には大塚氏しか名乗りを上げなかったので民進党の分裂や破綻の芽は殆どなくなったようだ。大塚氏の背後には連合が付いており組織的な基盤もある、ということだから、多分民進党はそれなりに安定する。
民進党のリセットが上手に出来たじゃないか、というのが、現時点での私の率直な感想である。
野党の再結集があるとすれば、大塚氏が代表に就任した新しい民進党かな、と思っている。
立憲民主党はややともすると先鋭化しそうだし、希望の党はリセットまでにはまだまだ時間が掛かりそうだから、結局は立憲民主党にも希望の党にも一定のフアンがいそうな民進党の大塚氏が野党の繋ぎ役になりそうである。
まあ、反対のための反対を繰り返すようなかつての民進党から、政策本位で国会審議を進める可能性がある新しい民進党になったのは、それなりにいいことかも知れない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年10月31日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。