月末に憂鬱になる経営者、うれしくなる「お金の経営者」

5年前に資産デザイン研究所を立ち上げ独立した当初、起業のアドバイスを聞きにいった先輩経営者が「経営者は月末になると憂鬱になる」と言っていたのが印象的でした。

多くの人を雇っているその会社では、月末になると従業員に給与の支払いが必要になる。月中に入金されて残高が増えてきた口座が、月末になると一気に減ってしまう。その繰り返しが経営だという話でした。

資産デザイン研究所でも、会社経営が軌道に乗ってから人件費の支払いも発生します。しかし、労働集約的な仕事はあまりありませんから、人件費比率は高くありません。また、資産デザイン研究所は、会社経営と並行して投資事業も行い、その比率が年々高まっています。

投資事業を行って実感することは、月末は憂鬱ではなく、うれしくなる時期だということです。なぜなら、不動産賃貸物件からの家賃が次々と振り込まれてくるからです。

不動産投資は管理会社にプロパティマネジメントを任せることができれば、購入時の物件選択が主な仕事になり、購入後は手離れが良くなります。購入してからは、毎月入ってくる家賃から管理費などの諸費用が差し引かれ、管理会社から銀行口座に勝手に資金が振り込まれます。ローンがあればそこから元利均等金額を返済します。

これらは全て自動で行われますから、投資家としての仕事は銀行に行って、預金通帳に記帳して入金を確認することです。毎月、安定した金額が振り込まれ、残高が着々と積みあがっていく。見ていてうれしいものです。

経営者は人を使って収益を上げる。投資家はお金を使って収益を上げる。つまり投資家とは「お金の経営者」ということができるのです。

人は自分の思う通りに動いてくれるとは限りませんが、お金は的確な指示を出せば黙々と働いてくれます。仕組みを作ってしまえば不労所得として安定した収益源になるのです。

企業の経営者とお金の経営者。2つの経営者のどちらがストレスなく過ごせるか。明らかに後者ではないかと実感しています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年11月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。