全国の多くの自治体で、空き家改修に対して補助金を出しています。
地域の資源(使われなくなった住宅など)をできる限り有効に活用したい、移住者を積極的に受け入れたいなどの理由からです。
それについて否定するものではありませんが、全国からたくさんの方々が移住している徳島県神山町を見ると、補助金が全てではないし、補助金より大切なことがあるのではないかと改めて考えました。
過疎の町で社会増。神山町の経緯や詳細についてはこちら。
⇒ 大南信也さん講演『創造的過疎から考える地域の未来』
◆1つ目は、空き家市場をつくること。
空き家はたくさんあっても、どこに、誰の空き家が、どういう状態であるのか、把握できていなければ、空き家の活用はなかなか進みません。また、仲介する人がいなければ、大家さんも、面倒くさくなり、あまり貸そうとはしません。
神山町では、NPO法人グリーンバレーが、空き家の情報を集めて公開していますが、もし地域にグリーンバレーのような団体がなければ、不動産会社を誘致してもいいと思います。
◆より大事なことは、場の力を高めること。
神山町の空き家を改修した建物は、それぞれ個性的でクリエイティブなのですが、全体としてとても調和がとれています。(いわゆる町並み保存は、調和はとれていますが、個性的にならないので、ダイナミズムにやや欠けるのかもしれません。)
その理由は、神山町の風景になじむもの、神山町の歴史を踏まえたもの、神山町の素材を使っているものが多いから。神山町を大事にして、神山町で何かやりたいという気持ちがとても伝わってきます。そういう気持ちを起こさせるよう、場に働きかけてきたわけです。
場に働きかけるということは、短期的に成果が出るものではないし、唯一の正解があるものでもありません。でも、それが面白いと思います。
もっと知りたい!空き家対策
● 「移住政策」まずは、不動産会社を誘致しよう!
もっと知りたい!神山町
●大南信也さん講演『創造的過疎から考える地域の未来』
●場の魅力を高めることが、日本一の現代アート展に(徳島県神山町)
<井上貴至 プロフィール>
<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち」
学生・卒業生への熱いメッセージです!
<井上貴至の提言>
間抜けな行政に、旬の秋刀魚を!
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2017年11月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。