ご当地PRにもなる「果物ガチャ」の魅力とは?

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

突然ですが、あなたは「ガチャ」と聞いて何を連想するでしょうか?「やっぱり昭和生まれにとってはガン消しでしょ!?」「え?ガチャってスマホゲーじゃないの??」その答えによって年代がわかってしまうのが「ガチャ」というキーワードです。

そんなガチャの世界にフルーツが参戦し、今話題を読んでいます。

置き場に困るガチャガチャの景品

私は昭和生まれの人間で、小学生の頃はガン消しにハマりました。お小遣いをもらったらすかさず、近所のガチャガチャへ走っていったものです。100円玉を5枚もって1枚ずつ投入し、ドキドキしながら「ファンネルつきニューガンダムが出ろ!出ろ!!」と祈りながら、希望のものが出なかった時は「ちきしょー!!お前なんていらんわー!!」と叫んで投げつけていました。頼りない記憶ですが、100円玉を投入し続けた結果、最後にはお目当てのニューガンダムをゲットした気がします。

そんなガチャガチャですが、ハマりにハマってたくさんガン消しがダンボールに溜まっていきました。年齢を重ねていくと次第にガン消しを邪魔に思うようになってきました。「もうこんなものがあっても仕方がないよな。ガン消しといっても消しゴムの代わりになるもんじゃなし。実用性ゼロやん」そう思って、思い切って大事なコレクションはすべて捨ててしまいました。

昔はお肉屋さんや、駄菓子屋さんが並ぶ一角にガチャガチャは置かれていたものですが、最近ではファミレスなんかにもおいていますね。その後、年月が過ぎて大人になった今もガチャガチャの前に立つことがあります。最近のガチャガチャは昔のように100円では買えず、300円とかそれ以上のものもあります。昔ハマったガン消しと違って、今のガチャガチャはとても精巧に美しく作られています。時々、ものすごく欲しくなってしまうのですが、「置き場所に困って捨てることにならないか?」と冷静に考えるといったん開いた財布を閉じて、その場から立ち去ってしまいます。

ガチャガチャって何が出てくるか分からないので、とっても魅力的に感じます。それは大人になっても変わりません。しかし、買った後の置き場所に困ると考えるとなかなか手が出せなくなってしまうんですよね。

「消え物ガチャ」というありそうでなかったもの

そんな子供から大人まで魅了してやまないガチャガチャですが、日本農業新聞にとても面白いガチャガチャが紹介されています。

画像引用元:日本農業新聞記事内 

愛媛はミカン、青森はリンゴ、和歌山は梅干し――。「ガチャ」や「ガチャガチャ」の名称で人気のカプセルトイに、ご当地農産物を入れたものが全国で人気だ。主におもちゃやマスコットなどが入っているが、果物などが出てくる意外性が子どもに受けている。果物を食べる習慣が減っている若年層をターゲットに、子どもにねだられたら断り切れない親や祖父母の購買にも期待する。

引用元:日本農業新聞「カプセル開けるとミカン、リンゴ、梅干しも ガチャ ガチャ 意外性・・・ご当地産PR」

ガチャガチャの持つ「なにが出てくるのか分からない」という面白さはそのままに、これまでのガチャガチャにある「買っても飽きたら置き場所に困る」という問題を吹き飛ばしてしまう新しい試みです。消え物ガチャというのはありそうでなかったと感心してしまいました。

直径15センチのカプセルにリンゴが入る。品種は時期によって替わり、現在は「トキ」「ジョナゴールド」「星の金貨」など。近年、注目を集める黄色い品種「トキ」は特に人気で、当たるまで挑戦する客もいるという。1回100円。季節ごとのイベントで、今年は28日まで。

とあるように、「目当てのものが当たるまでついつい夢中になる」というガチャガチャの楽しさはそのまま残っています。旅館や東京のアンテナショップでもおいてあり、宿泊客や観光客に大変受けているようです。

果物は時期によって取り扱う品種が変わり、そうなると味も見た目も変わります。例えば当店「肥後庵」で扱っている梨一つとっても、秋の季節だけで「豊水梨」「秋月梨」「新高梨」とどんどん品種が入れ替わっていきます。その時に一番おいしい品種を店頭に出していますが、タイミングによっては違う品種が重なるときがあります。すなわち「豊水梨と新高梨」が店頭に並ぶということです。フルーツにあまり馴染みのないお客様からすると「何がどう違うの?どっちがいい?」と分からなくなってしまい、自分で選ぶにはどちらがいいのかよくわからず、面倒に感じる人もいるでしょう。

ですが、果物ガチャであればそんな心配はありません。深く考えずにお金を入れてガチャっと回せばおいしいものが出てきます。フルーツはそんなに日持ちがするものではありませんから、新鮮でなければガチャガチャには使えません。難しく考えることなく、ガチャを回すことで、おいしいフルーツが出て来るというのは面白い試みです。

SNSとも親和性が高いガチャガチャ

「インスタ映え」という言葉があちこちで聞かれるようになりました。面白いもの、楽しい体験はすぐさまインスタを始めとするSNSで友達の間で共有されます。そんなSNSとガチャガチャはとても親和性が高いと思います。「見てみて!ついに目当てのものが当たった!」「こんなにへんてこな物が当たった!」といった話題につながるでしょう。

今回の魅力的な果物ガチャがSNSで広がってほしいと願っています。私も見かけたら挑戦してみようと思います。フルーツガチャであれば、ガン消しと違って「こんなもの要らない」と壁に投げつけることはないでしょうから。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。