政策顧問や法律顧問には誰を選んでもご本人の自由

早川 忠孝

法律顧問という肩書は私たち弁護士にとって極めて馴染みが深く、法律顧問という肩書を与えられるだけで、特定の依頼者や団体と恒常的に親密な関係を構築しており、特定の依頼者や団体から特別の信頼を寄せられていることが一目瞭然である。

特定の法律的な紛争についての代理人よりも、法律顧問なりただの顧問の方が特定の依頼者なり団体との結びつきがより緊密で、法律顧問なり顧問は特定の依頼者なり団体に対する影響力が格段に大きく、かつ当該依頼者なり団体にとって重要な存在だということになる。

法律顧問なり顧問を委嘱されるというのは、弁護士にとってはそれなりの社会的評価を受けたことになるから、通常はある種の名誉になる。

もっとも、反社会的勢力の代表である暴力団等の組織の法律顧問や顧問ということになると、その団体の中では相当のポジションを占めていることにはなるだろうが、一般社会ではまず受け容れてもらえなくなるのが普通だ。

某議員が某弁護士を法律顧問ではなく政策顧問に選任した、ということで一部の識者やタレントの方々があれこれ話題にされているが、まあ、どなたを政策顧問や法律顧問に選任してもご本人の自由であり、周りであれこれ騒ぎ立てるような問題ではない。

法律顧問ではなく政策顧問として弁護士を迎えた、ということに私自身はちょっと違和感を感じたが、弁護士が特定の政治団体や政党の政策顧問に就任するという先例を大阪の橋下徹弁護士が作っていることから、多分この先例に倣ったのだろうと思っている。

某議員も弁護士だから、弁護士が他の弁護士に法律顧問を委嘱するということになると、自分の弁護士としての力量に一般の方々から不信を懐かれるかも知れないと思って、あえて政策顧問としたのが真相かも知れないが。

なお、こういうことは、普通はわざわざ外に向かって言わないものである。

なんでこういうことがマスコミの話題に上ってくるのかな、と不思議に思うが、どなたかがあえてマスコミにリークしたのだろう。

どうも問題は、あえてこういうことをマスコミにリークした人の意図の方にありそうである。
まあ、どうでもいいことだが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。