相棒同士の日米首脳、アジア政策も一心同体 --- 古森 義久

米国のトランプ大統領は延べ12日、5カ国に及ぶ初めてのアジア歴訪を11月14日に終えて、ワシントンに戻った。この米国大統領のアジア訪問は何を残したのか。

これまでトランプ大統領の対外政策、特にアジアに対する姿勢は不明確な部分が多かった。だが今回のアジア訪問でかなりの部分が明らかとなり、予想外の特徴も浮かび上がらせたといえそうだ。

「意外」なほど歓迎されたトランプ大統領

トランプ大統領は11月4日にワシントンを発ち、ハワイを経て、まず日本、そして韓国、中国を訪れた。その後、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談に参加するためベトナムに飛び、さらにフィリピンを訪問した。

その間、最も熱くトランプ大統領を歓迎したのが日本だった。日本では官民ともに意外なほどの歓迎ぶりをみせたといえる。

あえて「意外」という言葉を使うのは、これまで日本側の一部の識者やメディアが同大統領を酷評していたからだ。トランプ大統領は、日本にとっても、世界にとっても好ましくない存在であるかのように語る“アメリカ通”や“専門家”と呼ばれる人たちが少なくなかった。さらに、国際情勢や米国の政治には決して精通していないのにトランプ大統領を一刀両断にする、いわゆる“文化人”たちのネガティブな言辞も目立った。

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