山井センセイとの思い出

城 繁幸

山井和則氏(ツイッターより:編集部)

twitterでボソっとつぶやいたらそれなりに反響があったので備忘録がわりにメモしておこう。

いつどこでだったか記憶にはないけれども何かの番組収録かシンポジウムの時にご一緒して、合間に名刺交換とかもするわけですよ。で、「ご著書はだいたいよんでますよ。確かにもうそういう時代なのかもしれませんねー」みたいなことを言われるので、あー意外に勉強されてるんだなと。

で、いざカメラがまわりはじめるとぜんぜんキャラ変わるわけですよ(笑)

まあそれはいいんだけれども。
記憶に残っているのは、たしか派遣で働くシングルマザーみたいな人が現場に呼ばれていて「急に法律が変わって雇い止めになってしまった」とか「長年働いていた派遣先に今回で最後だから」と言われたみたいな話を披露されていて、合間になると山井センセはせっせと足を運んで名刺交換しながらこんなことをしゃーしゃーとおっしゃられるわけですよ。

「さっきのお話、大変ですねえ。我々民主党も日々みなさんと共に戦いますよ

っていやいやいやいや、26業務適正化(26業務の解釈を厳格化する通達を出した結果、微妙なところにいた派遣労働者が10万人規模で雇い止めになった)だの26業務も含め派遣の上限を3年にしたのってあんたたちでしょ、なに他人事ぶってんだよ(笑)

時期覚えてないから民主党のせいでその派遣さんが切られたかどうかまでは分からないけれども、少なくとも規制強化の方向でごり押ししてきたあんたらが言っちゃいかんだろう。

という強い印象を持ったわけです。

結論としては、あの手の政治家は規制強化で失業率が上がるといった基本的な市場の構造はしっかり理解はしていて、理解した上で、平均よりちょっぴりお金も票も持ってる既得権層のために、一生懸命汗をかいてるフリをしてるんだなと。

もしかすると。日本でリベラルと呼ばれる人のほとんどは、その手の種類の人間なのかもしれない。そりゃいつまでたってもシングルマザーは報われませんね(苦笑)


編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’s Labo」2017年11月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。