学校経営は、マンション経営と捉えればうまくいく

札幌新陽高校の荒井優(あらいゆたか)校長は、就任当時日本で2番目に若い42歳。少子化で入学者数が低迷する中、さまざまな改革を矢継ぎ早に行う。

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(資料提供:荒井優氏)

1)入学金の無料化

これまで札幌市の私立中学校は、一律25万円の入学金を取っていたが、オープンスクールに2回来れば入学金を無料化。いわく、学校経営はマンション経営と同じだと。

周りに人気のマンションがあるのに、古くなり人気がなくなったマンションが周りと同じように敷金や礼金をとっても入居者は集まらない。敷金、礼金を無料にしてでも、まずは部屋を埋めるべき。

その上、マンションと異なり、学校は1年に1度しか募集できず、しかも3年でいなくなってしまう。毎年、一定数の生徒を集めることが大切という。

2)進路相談の担当教頭を設置

教頭を2人体制にして、進路相談の担当教頭を設置3年生だけではなく、1年生・2年生も含めてすべての生徒と1対1で向き合う

将来の目標がなければ、日々の勉強のモチベーションもあがらない。早い段階で、生徒と対話を重ね、早い段階で将来のイメージを膨らませる。

これも、生徒が一定数いるからこそできること。部屋が埋まるからこそしっかりした管理人を雇えるのと同じという。

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3)本気で挑戦する。チャンスを提供する。出入り自由の校長室

僕が校長室を訪問したときは、公立短大への進学が決まった高3生も呼ばれていた。彼は、中学のときは成績が最低ランクだったが、新陽高校で能力とやる気が開花。将来は国公立4年生大学に編入したいという。

柔道部の彼には、柔道に喩えながら、生き方や働き方を熱意を込めて伝えた。我ながら贅沢な講義だと思う(笑)

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(写真提供:荒井優氏)

さまざまな改革、発信を続ける荒井校長、新陽高校のもとには全国津々浦々から多士済々が集まるが、それらをうまく活用している。イケテル地域と全く同じモデルだ。

荒井校長が着任してから2年弱。短い期間で学校はここまで変わるし、生徒にもいい影響が与え、それが連鎖していく。そういう意味で、札幌新陽高校は、自信と希望を与えてくれる

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編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2017年11月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。