大相撲の暴力事件で動向が注目されていた横綱・日馬富士(本名・ダワーニャミーン・ビャンバドルジ、伊勢ケ浜部屋)が29日朝、日本相撲協会に引退届を提出し、協会側も受理した。午後2時から記者会見する。
日馬富士は、10月25日、巡業先の鳥取市内で、同じモンゴル出身の幕内。貴ノ岩(貴乃花部屋)に暴行したことが発覚。貴乃花親方が鳥取県警に被害届を提出し、今月開催された九州場所の休業中に県警から任意で事情聴取を受けていた。また、27日に開催された横綱審議委員会では日馬富士に対する厳しい処分が出される方向で協議されていた。
この暴力事件を巡っては協会と被害者側の貴乃花親方側との深刻な対立も表面化。当初はビール瓶で殴ったとの報道もあった中で、現場にいた横綱、白鵬が「ビール瓶はなかった」と報道陣に“証言”する一方、貴ノ岩の家族や、モンゴル出身の元小結・旭鷲山(ダバー・バトバヤル氏)が貴ノ岩の深刻な受傷具合を発言するなど、情報戦の様相になっている。日馬富士の引退により、一連の暴行事件は一つの区切りを迎えたが、県警の捜査の進展を含め、真相解明につながるのか注目される。