立憲民主党と民進党が綱引きをしたら、勝つのは...

Facebookより(編集部)

最後は、それに付けてもカネの欲しさよ、ということになるのではないかと思っているが、さて立憲民主党の民進党地方組織引き剥がし作戦はどこまで功を奏するだろうか。

目下のところ立憲民主党に勢いがあることは認めるが、立憲民主党が保守的傾向が強い無党派層の圧倒的な支持を得る組織になる、という可能性はほぼない、と思っている。

反自民、反安倍で凝り固まっている政治的意識が高そうな層には立憲民主党は受けるだろうが、党派性をあまり表に出したくない無党派層や中間層の方々は、立憲民主党がイデオロギー性を前面に出して先鋭化すればするほど、立憲民主党から距離を置きたくなるだろうな、と思っている。

立憲民主党の最大の基盤は、共産党や社民党などの意識高い系、市民運動系にあるのだろう、というのが現在の私の見立てで、立憲民主党が大きくなると結局は共産党や社民党と支持基盤の獲得競争に走るようになり、案外早く成長の芽が摘まれてしまうのではないかしら。

立憲民主党はしきりに民進党の地方組織の切り崩しを狙っているが、民進党はいつまでも手を拱いて黙って見てはいないだろう。なにしろ民進党には巨額の選挙資金が残っているのだから、その気になればいつでも地方組織の引き締めが出来る。

多分、立憲民主党には大した金づるはないだろうから、立憲民主党に移籍したとしても立憲民主党からは金が出てこないはずである。枝野氏は弁舌爽やかで歌唱力もあるようだが、組織を固めるための資金調達能力はそれほどなさそうである。

立憲民主党と民進党が地方組織の分捕り合戦をやったら、まず資金力のある方が勝つ。

衆議院の無所属の会の国会議員も民進党に所属しているのだから、無所属の会が会派名を民進党に変えたら、衆議院と参議院に足を掛けている民進党の方が強そうに見えてくるだろうから、地方議員の皆さんも最終的には民進党を選ぶのだろうと思っている。

ちなみに、地方組織分捕り合戦に希望の党が参加することはないだろうと思っている。

希望の党は、民進党の地方組織を取り込むことなど一切考えないで、独自に新しい地方組織を作る方がいい。まあ、希望の党にも金がないだろうから地方組織作りは大変だと思うが、何もないところに新しい物を作る、ということは結構楽しいものである。

立憲民主党、希望の党、民進党がそれぞれこれからどういう地方組織作りを始めるのか、見物ではある。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年11月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。