こんにちは!肥後庵の黒坂です。
栄養やコストのことを考えると「自炊>外食」という図式となるのは間違いないでしょう。特に野菜や果物をしっかり食べようと考えるならば、外食は自炊には遠く及びません。ですが、大事な自分自身の体の健康を考えても、なかなか料理をしようという気になれず、ついついスーパーの半額お惣菜などで済ませていないでしょうか?
なぜ料理の方が健康や家計に良いと分かっていても、自炊が継続できないのか?それは理屈より、人間心理によるものと考えます。
自炊最大の壁は「今日何作ろう?」
毎日料理をする上での最大のハードルはこの「今日何を作ろう?」ではないでしょうか。ご主人はビジネスマン、奥さんは専業主婦という家庭の場合は、「奥さんは専業主婦で家事のプロなのだからそんな悩みはないだろう」と思いがちです。しかし、実情はそうではありません。「専業主婦=家事のプロ=料理も楽しくサッと作れる腕前」というわけではありません。その答えはGoogleさんが出しています。「専業主婦 料理 嫌い」と検索するとざっと70万件近くその結果が出てきて、掲示板やらブログに「本当は料理をしたくない。億劫」という声が山のように出てきます。
元々がよほど料理好き、というなら話は別ですが、多くの主婦をやっている女性は、料理が好きだから主婦をやっているというわけではありません。これは多くの男性が見落としがちな事実ではないでしょうか。私自身も料理を作ることは苦手ではありません。実際、頑張って自炊をしているのですが、料理を作る以上に「今日何を作るのか?」を考えて決めることが面倒臭いと思ってしまいます。
なぜ何を作るのかを考えるのは難しいのか?その理由は「飽き」と「健康」です。食事は毎日2-3回必ずするものですから、同じ味や食材が続くとどうしても飽きてしまい、健康にも影響が出てきます。理想的にはおいしい食事を様々な食材から頂きたいところですが、毎回の食事で栄養や調理の手間、買い物などを考えてそれを毎日毎日やるのはかなりの労力です。
廃棄ロスを出さない食材消費計画
それから食事には必ずお金がかかります。当たり前のことですが、この事実が自炊を難しくします。
毎日健康的でバラエティに富んだ食事を社員食堂や、実家の両親が作ってくれる、これならものすごく簡単です。それを自分で作るとなると、食材の調達から調理との保存までをトータルマネジメントする必要があります。
食材が安く買ってあったのを見て思わず多めに買ってしまい、後日食べきれずに廃棄してしまう経験をお持ちではないですか?そうならないよう、買い物の段階ですでに廃棄ロスを出さないためのプランニングは始まります。「今日これを買ってもおそらく使い切れないから、あれを作るのは来週にしよう」「小分けタイプか?大容量タイプか?」「賞味期限切れが近いから、調理後に冷凍保存したいけど空きはあったっけ?」こうしたことを考えながら買い物をするのはなかなか脳内負担が大きいものです。
自炊は廃棄ロスがつきものなので、それを考えるとどうしても億劫になりがちです。
面倒臭さを一手に引き受けるのが外食
こうした自炊について回る思考の負担や調理や保存などの労力を、一手に引き受けてくれるのが外食です。外食であれば買い物、プランニング、調理、保存といった自炊にまつわる一連の面倒臭さをすべて引き受けてくれます。やることは簡単。お店に足を運んで代金を払うだけ。食器洗いまで全部やってくれます。
その代償として支払うのは健康と割高な料金。外食オンリーで健康を維持するのはかなり難しいので(詳しくは過去記事参照)、手間がいらない代わりに差し出すものもまた小さくないわけです。
解決策は「料理を楽しむ回路」の構築
今は様々な選択肢があって、健康食を自宅に届けてくれる通販もあります。冷凍で届きますから、自宅でチンしてすぐに食べられるというすぐれものです。しかし、こちらも1品1品健康食ではあるものの、毎日食べるとなると偏らないように注文するメニューなど自分で工夫しなければいけません。また、お金を持っている人であれば、家事のアウトソーシングを利用してもいいのですが多くの人にとってそれは現実的でありません。
自炊や外食、宅配食といったあらゆる選択肢がある中で、健康と金額という2つのキーワードを満たす手段はずばり、「料理を楽しむ回路」を脳内に構築するしか方法はないと考えます。つまり、面倒な手間や計画を楽しいと感じられるようになるということです。その鍵はズバリ「上達」です。廃棄ロスを出さない「買い物上手」、それから栄養もたっぷり取れて食べていておいしい「料理上手」になってしまえばいいのです。
多くの人は自分が作れる料理しかしません。どうしてもこれまで作っていた料理ばかりが食卓に並ぶことになり、マンネリ化を招きます。ですので、思い切って新しい料理に挑戦してみる!料理教室に通ってみる!賢い食材の買い方について調べてみる!こうした上達への一歩を歩むことで、料理を楽しむようにしてしまうわけです。人は自己の取り組みに成長を感じられたら「楽しい」「もっと上へ行きたい」と思うものですから、料理上手になるのが唯一の手段です。
そうすることで、もはや自炊を面倒だと思わなくなり、健康的に家計にも優しいライフスタイルを構築することができるのです。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表