河野氏の外相専用機発言が2019年度予算要求に関連してなされていたものだということを見落としていた。
へー、もう次々年度の予算要求の検討が始まっていたのか、とびっくりしたが、人の一歩先を行くのが河野氏だから、河野氏本人には何の違和感もなかったのだろう。来年のことを言うと鬼が笑うと言うが、河野氏には誰も笑わせる意図はなかったようだ。
河野氏は来年の自民党総裁選に出馬する意欲満々なんだろうから、あの外相専用機が欲しいという発言は、自分のために欲しいというのではなく、自分の後に外相に就任する人のための発言だと善解してあげるのがいいかも知れない。
私もうっかり産経新聞のおねだり表現に左右されてしまった。
河野氏の発言は決して自分のためのおねだりではなく、日本の外交の在り方を十分踏まえての重要な発言だった、と見るべきだろう。
私自身はどちらかと言うと日本の外交力を低く見がちだが、現実に日本の外交を支えておられる方々はもっと日本の外交力をアピールしたいのだと思う。
かつてはODAという強力な武器があって国際社会における日本のプレゼンスは相当高かったはずだと思っているが、今の日本の外交は基本的にアメリカ追従型で、アメリカの意向に反して日本独自の外交戦略を描くことは難しいはずである。
河野氏の意欲はよく分かるし、私もいずれは日本もそれなりの外交力を発揮してもらいたいものだと願っているが、さて、どうなるか。
とにかく河野氏が重要な一石を投じたことは間違いない。
来年や再来年のことを持ち出しても、もう誰も笑わない。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。