プロ直伝!人を引きつける話し方の秘訣は『ラ』にある

写真は書籍書影


話し方に気をつけているのに、なぜか嫌われてしまう。お客様に好かれない。上司から生意気だと思われてしまう。部下から恐いと言われる。プライベートでは、異性からモテない。人間関係を築けない…いったい何が問題なのか。これには、「言い方」「声の出し方」「表情」などが大きく影響を及ぼしている可能性がある。

今回紹介するのは、『CD BOOK〈引きつける〉話し方が身につく本』(明日香出版社)。著者は、フリーアナウンサーの倉島麻帆さん。NHKでディレクターなどを務めた他、NHK Eテレ「Rの法則」など多数メディアにも出演している。

プロに学ぶ舌を動かすトレーニング

滑舌よく、ハキハキとした「明瞭なしゃべり」に憧れる人は多い。営業マンが、モゴモゴしたしゃべりだったらどうだろうか。自信なさそうに見えてしまう。講演やプレゼンの場で、モゴモゴしゃべっていてもやはり伝わりにくい。

「私が依頼される営業マン向けの研修でも、『口先だけでモゴモゴしゃべる人が多いので、直したい』というご要望が多くあります。口先だけでボソボソしゃべり、不明瞭であれば、商品に対しても自信がないように聞こえます。滑舌よく明るい話し方ができるだけで、その商品も素晴らしいものに思われるものです。」(倉島さん)

「滑舌を良くするには、顔の筋肉を使い、口を大きく開けることが大切ですが、さらに舌もよく動くかどうかも重要です。舌は、ストレスがたまると、動きにくくなったり、奥に引っこんだりします。そんなときは、舌を前に出したり閉じて舌で歯をぐるりと左右20回ずつ外側と内側をなぞるのがおススメです。」(同)

そして、倉島さんによれば、しゃべりの際に最も大切なのが「ラ」になるそうだ。つまり「ラ行」のことである。それは、どのようなことだろうか。

「舌の動きが最も大切なのは、『ラ行』です。ラ行は舌の先端を上の歯の根元やその前、その奥などに動かしながら、音を発しています。あごと頭を机の上などで固定して『ララララララ……』と発音してみてください。滑舌の悪い人は舌の動きが鈍いので、あごを動かしながら発音したりします。『ラ行』が大切なことがわかりますよね。」(倉島さん)

「他にも、『リラリラリラ』『ラガラガラガ』『ラタラタラタ』『レロレロレロ』など、ラ行を使った発声をすると、舌の運動になりますよ。」(同)

他に、早口言葉も舌の運動になる。倉島さんおすすめの「ラ行」の早口言葉には次のようなものがある。ぜひ試してもらいたい。

「瓜売りが瓜売りにきて、瓜売りのこし、売り売り帰る、瓜売りの声」
「とろろ芋をとる苦労より、とろろ芋からとろっとするとろろ汁をとる苦労」

舌の正しい位置はどこになるの

口を閉じた時、あなたの舌先は、どこにあるだろうか。舌が、下の歯の裏側についていたり、前歯に届くようであれば、それは「舌癖」になる。正しい舌の位置は「スポット」という上の歯のすぐ後ろ(前歯に触れない程度のところ)にあるそうだ。

「舌癖とは、舌の位置が悪く下に下がっていたり前に出ていて正常な飲みこみができない、という舌の習癖のことです。舌ったらずの人、口をポカンと開けている人は、ほぽ舌癖と言っていいと思います。舌癖が及ぼす影響には、次のものがあります。」(倉島さん)

「大きく5つにわけられます。『不正咬合(上下の歯が咬み合わない)』『矯正治療の遅れや後戻り』『感じの良くない食べ方や飲み方(舌が出る、よくこぼす)』『発音の問題(滑舌が悪い、舌たらず、聴きにくい)『舌や歯の痛み、歯周病、口呼吸』など。その他、口唇や顔の筋肉との不調和によるさまざまな問題が起こります。」(同)

実は、倉島さんも舌癖だったそうだ。舌が前に出る癖があるので、トレーニングで直したそうである。それは、舌を上あごに吸い上げて、下の裏側の中心にあるヒモを伸ばすもの。舌を引き上げる筋肉を鍛えると、舌が動かしやすくなり、食事や会話がスムーズになる。舌癖の方はぜひトライしてもらいたい。

話し方トレーニングはバラエティに富んでいるが即効性があるわけではない。また、地道な反復練習が必要になる。「ローマは一日にして成らず」ということわざがある通り、ローマ帝国も、築くまでには約700年の歳月を費やした歴史がある。まずは、比較的長いスパンでじっくりと継続することをおすすめしたい。

尾藤克之
コラムニスト