変化が激しくなると大切になるのは「スピード」

内藤 忍

2017年は世の中の変化が大きくなった1年だったと思います。資産運用の世界でも、仮想通貨が急激に成長し、投資の世界を変えつつあります。

私自身も仮想通貨を複数保有し、マイニングにも参加していますが、驚くべき事はこの業界の恐るべきスピード感です。

仮想通貨の価格推移を見ていただくとわかりますが、株式はおろかFXさえ凌駕するような、極めて高いボラティリティーがあります。

また新しい通貨が次々と誕生し、その中の多くがいずれ消えていきます。その中でテクノロジーによって、次々と新しい投資アイディアが生まれてくる。このスピード感は、従来のビジネスとはまったく異質です。

確かに、仮想通貨業界には怪しげな人もたくさんいます。金融出身の人もいれば、情報商材やマルチ商法から入ってきている人も多いのです。まさに玉石混交の世界です。誰を信用して良いのか、信用力の見極めが問われます。

しかし、このような価値観が来大きく変わるマーケットにおいては、過去の実績などはあまり役に立ちません。別の判断基準が必要です。

「誰と付き合わないか」も大切ですが、とりあえず面白そうなものには、まずは全て顔を突っ込んでみる戦略が一番良いように思います。

このようなマーケット環境は既存の大手企業が最も苦手とする状況です。

過剰にコンプライアンスを遵守し、コンセンサスを重視して、計画を立ててから実行する意思決定を行う。これでは実行しようとするときにはマーケット環境はすっかり変わってしまい、結果につながりません。

それよりも、必要なコンプライアンスはしっかりと守った上で、コンセンサスよりも個人への権限移譲を進め、過去の実績や事業計画などは後回しにして、とにかくスピードを重視してマーケットに入っていく方が成果を出せる可能性が高いのです。

個人の経営者や投資家が、大手の企業や機関投資家に勝てるポイントはまさにこのスピードです。迅速な意思決定を行えることが、これからのビジネスや投資に益々重要になってくると思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年12月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。