大方の国民が宣伝や広告に乗せられやすいということは承知しているが、宣伝や広告の多寡によって国民投票の結果が左右される、とまでは言えないのではないか。
現在の国民投票法に改善の余地があることは大筋において認めるが、国民投票法の改正なくして憲法改正案の発議なプレビューし、とまでは言えない。
立憲民主党の枝野氏が国民投票法の改正を主張されていることは結構だが、肝心の憲法改正案の策定について積極的に関与しようという姿勢が今のところ見られないのが、少々残念である。
立憲民主党と名乗り、立憲主義を高らかに謳っているのだから、立憲民主党こそが現下の憲法改正論議の主導権を握ってもよさそうなものだが、枝野氏は安倍総理を個人の趣味で憲法改正を主張しているだけだ、と茶化すだけで自ら憲法改正論議の先頭に立つ、という気迫を一向に表に出そうとしていない。
枝野氏に確固たる自信や信念があるのなら、枝野改憲論を早々に表明して他党を巻き込むべく働き掛けをすればいいのに、と思うが、今のところ聞こえるのは野党間の陣取り合戦を意識した希望の党排除発言のみ。
自分の陣地に引き籠もっていたのでは大して味方が増えないと思うが、そんなのでいいのかしら。
立憲主義を徹底した憲法改正案は、これこのとおり、と国民に早目に提示されることである。
まあ、手続きで存在感を発揮するくらいしか出来そうにないので国民投票法の改正に言及し始めておられるのだろうが、今の段階で国民が知りたいのは立憲民主党の憲法改正案ではなかろうか。
内容次第では、大方の国民の共感が得られるはずである。
まあ、共産党や社民党からは三行半を突きつけられてしまうかも知れないが、今が何でも反対党から脱皮するいいチャンスである。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。