文章を書くとき、大事なことは何だと思いますか?文章には、さまざまな目的があります。もっとも大事なのは、「自分が伝えたいことを相手にきちんと伝えること」です。さらに、読む相手の「行動を促すこと」です。ところが、どこか表面的で、本来の目的を成し得ていないような文章も少なくありません。
読者ターゲットはどうやって絞るの
たとえば新しい商品やサービスを提案する場合、対象相手を具体的にイメージし、類似商品との差別化、販売経路などを企画書に落としこんでいくと思います。そしていざ商品迦されたら、今度は対象相手にアプローチする方法を考えるでしょう。
自分が進めたい商品やサービスにおいて、明確にターゲットがしぼりこめている場合は問題ありませんが、いったいどのレベルまで、自分の書いた文章を読んでもらいたい相手をしぼりこむべきか、悩む人もいるのではないでしょうか。
たとえば30代男性に向けた車、これだけでもある程度は車種をしぼれるかもしれませんが、30代男性既婚で子どもが2人、このように1~2つ要素を足してしぼりこんでいくだけで、この男性へ提案する車種はよりしぼりこめるはずです。
私は、記事を書くとき、より具体的に読者をイメージするようにしています。たとえば、グルメ情報について書く場合、「食べることに関心がある人」という設定だけでは、しぼったことになりません。
グルメといっても、トレンド、価格、店、地域性、食と健康など切り口はさまざま。ターゲットをグッとしぼることで、どんな料理、どんな店を紹介するのかが決まります。若手サラリーマンに向けたグ記事を書くとしましょう。これをさらに具体化してみます。
首都圏在住/中小企業勤務/年収400万円程度/営業マン/彼女がほしい/昼食は外食。このように設定すると、記事の内容としては、次のようなものが考えられます。
・ボリューム満点、コスパにいい店
・神田・新橋の料理屋
・合コンやデートに適した店
・会社帰りに寄りたいB級グルメ
・接待にいい店、上司にほめられる店
ライフスタイルは人によって異なり、文章が読まれる環境もさまざま。ですから、文章を書く際は読み手の生活事情を想定して文章を書かなくてはなりません。つまり読み手を明確にすることは、文章のテーマ(切り口)を決めることにもつながるのです。
刺さる文章ってなに?
誰に向けた文章なのか、どういう行動をうながしたいのか、さまざまなイメージを思い浮かべるのは、文章を書く上で大きな意味を持ちます。文章を書き始めてからも、言葉や表現に迷うこともあるでしょう。そんなときはいったん立ち止まり、ターゲットを今一度明確にイメージすることが重要です。
文章を読んでほしいと思っている相手、または自社の商品を買ってもらいたいと思っているターゲットの顔、体形、生活スタイルなどを細かく具体的にイメージして書くことで、「この言い方は刺さるな」「これはピンとこないかも」と、判断できるようになるはず。こうした作業をすることで、相手にきちんと伝わるようになるはずです。
参考書籍
『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)
尾藤克之
コラムニスト