都民の期待は、「団体に届かない都民の声」を「オープンに」反映することにある

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日は都議会議長・副議長および各会派の代表者に対して、知事査定終了後の予算原案の説明が行われました。

評価できる面もあれば、改善点もあります。正式な公表は26日とのことですので、所感や分析については追ってご報告させていただきたいと思います。

さて、説明の後に都議会自民党の秋田幹事長が囲み取材を行い、重要な指摘をされていたようです。

確認したところ、すでに24日には「幹事長談話」も発表されていました。

 

知事による平成30年度査定結果の事前通知に関する幹事長談話を発表

知事査定が終了した後の予算案は、まず都議会に対して説明を本日25日、そして都民に対して発表を26日に行うというのが定められた公式スケジュールとなっています。

ところがこの公式発表前に、予算編成過程で知事が「団体要望ヒアリング」を行った団体に対して、知事査定で変更がなされた箇所について事前通知を行っていたという内容です。

私の考えを結論から申し上げれば、これは自らが否定してきたはずの「しがらみ」を作り出す恐れのある行為であり、都民に誤解・不信を招きかねないため、次回からは速やかにおやめになった方が良いと思います。

特に問題だと感じるのは、都民に対してクローズの場でのやり取りが生じつつある点です。

予算編成プロセスの中で、かつて存在した「政党復活予算」を廃止したことは、古い慣習を打破した素晴らしい改革だったと思います。

しかし同時に、知事自らが特定団体から要望を聴取する「団体ヒアリング」を始めました。

確かに各種団体は業界意見の取りまとめ役ではありますが、しがらみにつながりかねない個別ヒアリングについては慎重な対応が求められます。

私個人は元よりこうした動きには否定的な立場でしたが、「すべてオープンな場で行えば、しがらみや誤解は生じない」ということでしたから、それには一定の理があると思います。

そして確かに宣言通り、ヒアリングは公開の場で行われています。ところが、その後の事前通知は対応が違ったようです。

川松都議(自民党)の指摘によれば、事前通知には「口止め」とも取れる文言が入っていたとのこと。

 

事前通知が行われるのは昨年に続き2度目ですが、こうした文言が入っていたことは私も初めて知りました…。「確信犯でクローズでやっている」のならば、これは筋が悪いと言わざるを得ません。

そもそも知らせる時期によって内容が変わるものではないのですから、公式説明・発表前に事前通知することに合理的な理由は特にないはずです。

都議会自民党が幹事長談話の中で指摘しているように、多くの都民が「人気取りの行為であり、古い政治手法」と判断されるのではないでしょうか。

なお政治的な側面をリアルにお話すれば、こうした「口止め文言」があっさりと外部に多数流出している時点で、すでに特定団体の気持ちは小池知事から離れています

自らの支持基盤を固めたい気持ちはよくわかりますが、古い手法で団体支援をつなぎとめることはできないでしょう。

それは他の既存政党のお家芸であって、真似しても「本家」に勝つことはできません。

元より都民が小池知事に期待したのは、そうした「団体に属さない都民の声を都政に届ける」ことであり、特定団体との癒着を深めることではないはずです。

都知事としての権限と、それが持つ改革への可能性を、こうしたところで消費してしまうのは極めて残念です。

もちろん今回の予算案の中には、都民から公募した事業が予算化されるなど、評価できる新たな取り組みも行われています。

こうした点に特に注力していただき、新しい政治への期待に応えるために、オープンでしがらみのない原点を維持されることを改めて期待するものです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、おときた駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年1月25日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。