1966年に放映されたウルトラシリーズで、カネゴンという怪獣がいたことを覚えているだろうか。カネゴンは、ウルトラシリーズのなかの人気怪獣になる。記事の画像は「元祖怪獣酒場」の看板になるが、カネゴンは親しみやすいキャラクターなのでいまでも使用されることが多い。ここで、簡単にカネゴンについて解説しておきたい。
実はカネゴンは元々は人間だった。小学高学年のガキ大将、「加根田金男」が、偶然見つけた不思議な繭に引き込まれ変身していく。ガマグチのような口と、カエルやアンコウのようにも見えるシュールな容姿に特徴がある。食生活は、お札や硬貨を主食としており、常に食べ続けていないと死んでしまう。だから、ビットコインは食べない。
1日に必要な額は3,520円と設定されていて、胸のカウンターに体内の金額が表示されゼロになると死にいたる。賃金構造基本統計調査(厚労省)で、現在のレートに換算すると、15,836円になる。1日の食費が15,836円ということは、大企業の役員クラスに匹敵するだろうから、かなりのグルメということになるのだろう。
講師の素養とはなにか
「カネゴンのような講師を探してください!!」と熱く語るのが、税理士の石川和男さん。今回、紹介するのは近著の『人生逆転! 1日30分勉強法』(三笠書房)。石川さんに関しては、これまでもインタビュー記事をアゴラで紹介している。
「カネゴンの主食はお金ですが、講師の主食は受講生の成長です。受講生の成長がなければ講師は死んでしまいます。私が勤めていた大原簿記学校の講師陣は、教えることや、合格させること、成長させることが大好きな方が多くいました。ほかのクラスの受講生が質問してきても、自分を頼ってきた人には熱心に理解できるまで教えます。」(石川さん)
「別の専門学校に通う受講生が、模擬試験だけを受けに来たのにそのときに質問してきても同様です。『わかりました』と理解してもらえるのが喜びなのです。教えることが大好きな講師たちは、昼休みに受講生が質問に来ても、イヤな顔一つせず、むしろ喜んで質問部屋で対応します。たとえカップラーメンを食べている途中でも、です。」(同)
3分間待って蓋をはがして湯気の出ているカップラーメンを投げ出してでも、質問に来た受講生にはわかるまで教えるとはすごい。これこそ講師の鑑ではないか。
「それが講師の存在意義であり生きがいでもあるからです。誰でも成長してほしい。当然、その学校で受講しようか迷っている人にも懇切丁寧に教えます。学校の儲けのために生徒を引きこもうと思っている人は、私の知っている講師のなかには1人もいません。このような専門学校の受講相談を利用しない手はありません。」(同)
自分は将来これをやりたい
講師からアドバイスをもらいたい場合はどうすべきなのか。石川さんはこう答える。
「自分は将来やりたいことを伝えると講師はアドバイスしてくれます。たとえば、『税や会計で経営者をサポートする仕事につきたいが、働きながら公認会計士の資格を取るのは難しい』と諦めていたことを講師に話したとしましょう。」(石川さん)
「1年に1科目ずつ受けることができ、5科目受かれば合格する税理士の資格を紹介されたり、公認会計士より難易度の低いファイナンシャルプランナーや中小企業診断士を案内されたり、日商簿記3級から徐々にレベルアップを図る方法などのアドバイスをしてくれます。しかも、無料です。いくらでも教えてくれます。」(同)
講師は、受講生が成長するのを見るのが生きがいのようだ。迷ったら講師から無償でアドバイスをもらうのも効果的と考えられる。さて、筆者も1月に新しい本を上梓したので、関心のある方は手にとっていただきたい。石川さんとは、同じ版元で同じ担当者。1週間違いの出版となった。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)。
尾藤克之
コラムニスト