米国のドナルド・トランプ大統領のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)についての新たな発言が日本の政財界を揺さぶった。全世界に激震を広げたといってよいだろう。
なにしろ同大統領は就任当日からこの多国間自由貿易協定から離脱する手続きをとっていた。いや、それ以前の選挙期間中から、この協定は米国の国益を害するとして排除を宣言していたのである。
ところが今度は一転して、ある程度の条件をつけながらも、TPPに復帰するための再交渉に臨んでもよいという。この逆転の理由はなんなのか。最も簡単な答えは「中国」のようである。
びっくり仰天の政策逆転
トランプ大統領はスイスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席し、1月26日の演説で、それまでのTPP拒否の立場を一転させ、復帰の意図があることを明確にした。
「米国はTPP加盟諸国とも、二国間の貿易合意を交渉する用意がある」