自民党には実に毛並みがいいサラブレッドのような人が多いが、サラブレッドでもちょっと変わっているな、異端者かな、と思わざるを得ない人も時には混ざる。
しかし、自民党はそういう異端者を簡単には排除しない懐の広さがあり、結果的にそれが自民党という組織に多様な人材を呼び込み、組織を大きくすることに貢献しているようだ。
自民党で異端者と言われた筆頭は小泉純一郎氏だと思うが、それでも自民党の総裁になり、5年あまりもの長期にわたり総理大臣を務められた。
ちょっと前までは河野太郎氏が自民党の異端者扱いされていたことがあるが、今は安倍内閣にとってなくてはならない外務大臣であり、次の自民党総裁の有力な候補者の一人になりつつある。
ちょっと変わっている人や異端者、少数意見の人を排除しないで組織の中に包み込めるのかどうか、というのは結構大事な問題である。
組織を強く、かつ、大きくしたいのであれば、排除の論理は封印した方がいい。
真面目な方々は、とかく議論で相手を遣り込め、自分と意見を異にする人たちとは席を同じくすることは出来ない、などと息巻いてしまいがちだが、組織を大事にする人たちは、そういう時には、まあまあ、などと言って仲間内での仲違いをなんとか避けるように動くものだが、維新や民進、希望の党の中にはそういう役割を果たしてくれそうな人がどれくらいいるだろうか。
維新にとって、足立さんは大事な人だろうと思っている。
ちょっと変わっているな、と思わせるところがあるが、だからと言って組織の中から弾かなければならないほどのことはない。癖はそれなりにあるが、反ってそこがいいと思われる人も多いはずだ。
希望の党はどうやら本格的に分党の方向に動き出しそうだが、希望の党を大きくしたいなら分党は避けた方がいい。
民進党がどうなるかも問題だが、こちらの方は目下五里霧中というところだろう。
わざわざ異端を集める必要はないが、一旦集まってきた以上、異端だからと言って外に弾き出すようなことは止めておいた方がいい。
組織の中で喧々諤々やった方が元気があるように見えていいですよ、と申し上げておく。
まあ、松沢さんのように自分の方から外に飛び出したいのであれば別だが・・・。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年2月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。