近年、ウォーキング人口が増えている。笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査 2016」では、成人の散歩・ウォーキング実施率は、全体として過去 20 年間で2倍に伸びていることが明らかになっている。手軽にできる反面、効果を得るにはどのような姿勢でやればいいのか、時間や距離などについては意外と知らない人も多い。
今回は『プライマリーウォーキングで歩けば若返る!』(三笠書房)を紹介したい。著者は、鍼灸・整体師、トレーニング指導士の岡本啓司さん。本書で紹介しているプライマリーウォーキング)は、立ち方・歩き方を変えることにより「より少ない筋力で効率よく立って歩く」を目的に開発されたエクササイズになる。
靴を選ぶ大切なポイント
岡本さんは、まず靴選びが重要だと指摘する。好きな靴を選ぶのもいいが、選ぶときのポイントが3つあるとのことだ。どのようなポイントなのだろうか。
「まずは、きちんと履ける靴を選びましょう。1つ目は、『足の指が丸まらずに、靴の中で自由に動かせること』、2つ目は、『足の指がしっかり開いて伸びた状態で、指と靴の間に隙間ができること(窮屈ではないという意味です)』、3つ目は、『歩いているときに、甲の部分が浮かず、かかとの部分がホールドされていること。」(岡本さん)
「足の指が、前にも横にも当たらないことを基準に選び、キツキツではないけれど、脱げにくい靴をオススメします。私が普段、セミナーや撮影のときに履いている靴は先に空間がありますが、しっかりとヒモで締めているので、靴の中で足は動きません。脚を振り出す動きにもピッタリ付いてきてくれます。」(同)
きちんと履ける靴が理想ではあるが、中敷きなどを工夫すれば使える場合があるそうだ。これは、パンプスなどにも応用できるそうなので試してみたい。
「かかとの高い靴の場合は、脚を振り出したときに靴が飛んでしまわないよう、しっかり足がホールドされるようなデザインの靴を選んでください。ストラップ付きのもいいでしょう。かかとの高い靴を履くと、感覚が狂い、体重をつま先側に乗せてしまいがちです。そうなると、腰がそってしまったり、ひざが曲がってしまいます。」(岡本さん)
正しい体の使い方を覚える
岡本さんは、「体の使い方」を変えると痛みが根本的に消えると力説する。事実、岡本さんの治療院でも、当初は、マッサージをしたり、電気治療器で筋肉をほぐしたり、一般的な治療院と同じような治療をしていた。しかし、そうした治療を行っても、痛みがとれるのは、治療後、しばらくの間だけだった。
「時間がたてば、再び、痛みが顔を出します。当座の治療で、痛みをやわらげたり、症状を改善することはできても、根本的な解決には至らないのです。そこで私が注目したのが『体の使い方』でした。体の動きを研究しているうちに、少し変えるだけで痛みが出なくなることに気づきました。そして指導をするようになりました。」(岡本さん)
「私の治療院には、みなさんがご存じの有名なスポーツ選手もやってきます。私は、150キロの剛速球を投げることはできません。でも、体の使い方については、わかっているので、体に負担をかけない投げ方を教えられます。実際に投げるフォームを見せてもらえば、痛みを生み出している『わずかな狂い』を指摘できるからです。」(同)
なお、記事の画像は治療院のHPに掲載されているものだが、正しい姿勢でウォーキングしている様子が伝わらないだろうか。さて、筆者も1月に新しい本を上梓したので、関心のある方は手にとっていただきたい。ウォーキングのお供にいかがだろうか。『あなたの文章が劇的に変わる5つの方法』(三笠書房)
尾藤克之
コラムニスト