朝日新聞の購読数を支えている理由のひとつが、大学入試に良く『天声人語』や記事が使われるということがある。このことを私は不公正だと批判してきたが、いまこそ、この利権の巣ともいえる悪習を根絶すべきだと思うということを、新刊『「立憲民主党」「朝日新聞」という名の偽リベラル』(ワニブックス)で厳しく取り上げた。
3年ほど前のことだが、朝日新聞が「大学入試に効く! 朝日新聞3つのポイント」という広告を出していた。内容は以下の通りだった。
①出題実績は今年も圧倒的 No.1 2015年度の全国の大学入試問題を調査したところ、朝日新聞の記事から出題した大学はなんと250校!また主な全国紙5紙の比較では、出題大学数・出題問題数・出題記事数のどれを取っても、朝日新聞が圧倒的No.1!
②強い味方は「天声人語」「オピニオン面」!出題科目はなんといっても小論文が多い!「天声人語」「オピニオン面」は世の中の動きについて考えるのに必要な知識、文章を正しく理解し書く力をつけるのにオススメ!2020年度に予定されている「大学入試改革」で必要になる【思考力・判断力・表現力】をつけるにも新聞が効果的なのです。
③出題される記事の掲載月にも傾向がある!翌年の大学入試に採用される新聞記事数は、例年5月から9月までの記事が多いようです。特に今年は8月が多かったことがわかりました。せっかく新聞を取るなら「朝日新聞を夏休みに!」で決まりです。
だいたい、特定の新聞の紙面、それも最近の紙面を使って入試問題を作成するなど論外ではないか。
入試問題が、予備校の模試に出たのに似ているだけでスキャンダルになるのに、受験生の数分の一の家庭で購読している新聞から出題すれば、これ以上の不公平はない。
しかも、朝日新聞は高所得層に広く読まれているわけだから、金持ち優遇、貧困層への差別でもある。また、地方では、ひとつだけ後続するなら地元紙が多いので、地域格差も生むことになる。
文部科学省は過去10年くらいの日刊紙からの出題を禁止すべきなのである。それをしていないのは、文科官僚・アカデミズム・左翼政党と行った偽リベラル・マフィアの悪のトライアングルの結束力のせいだろう。国民を彼らが正しいリベラルな考え方だと信じてるひとつの方向に誘導する第四の権力そのものなのである。
それにしても、自分の新聞を購読すると入試が有利になると誇る広告を出す朝日新聞は良心が疼かないのか。これぞ、左翼言論人と大学関係者と文部科学省がマフィアを組んで日本の言論空間を歪め独占している悲惨な状況を象徴している。