安倍首相の台湾宛メッセージ修正問題、国会質問で提起へ

Facebookより

先日、アゴラでも掲載したThe Urban Folks主筆、渡瀬裕哉さんの記事『官邸・台湾総統宛てメッセージ変更は「日本の主権」を脅かす大問題』で問題提起した安倍首相のメッセージ修正が、国会質問で取り上げられることが13日、明らかになった。

記事を読んだ希望の党所属の衆議院議員、源馬謙太郎氏(比例東海ブロック)がツイッターを通じて質問主意書を提出したことを明らかにした。

質問主意書は、国会議員であれば誰でも行使可能なのが特徴。議長承認後、内閣に提出されると、内閣は7日以内に答弁することが国会法で求められる。本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができ、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できる(参照:参議院サイト)。

かつて鈴木宗男氏が自民党を追われて以後、単独で活動するようになって質問主意書を連発して注目され、近年活用する議員が増えている。

左・修正前、右・修正後、*自由時報社記事から写真加工して横に並べた直しもの

この問題は、台湾で地震が発生した後の8日、首相官邸ホームページで当初、安倍首相が台湾の「蔡英文総統閣下」宛でお見舞いのメッセージを掲載。ところが、特に前触れもなく、タイトルにも記載された「蔡英文総統閣下」の文言が消えたとされる。

台湾有力紙の自由新報が報道するなど、現地メディアでは「中国からの圧力」を憶測している。日本では先述のThe Urban FolksJ-castニュースが取り上げた。実際、中国政府は、中国外務省の耿爽・副報道局長の9日の記者会見で、総統の表記は台湾を国家として認めるものだとして抗議していた。

こうした反響を受け、政府は、菅官房長官が13日の記者会見で「蔡英文総統閣下」の宛先を削除したことを認めた。産経新聞の速報によれば、菅官房長官は「より広く台湾の皆さんへのメッセージとして掲載することが適当だと判断して変更した」と説明した。

源馬議員の質問主意書にも同様の見解を示すとみられるが、時系列の流れからすれば、中国政府の意向を“忖度”したという疑念を払拭できるのか注目したい。