習近平体制下の中国はどこに向かうのか?


昨日午後から今日の午前までの日程で、東アジアの安全保障に関する会議に出席するため台北に出張しています。先ほどまで、台湾、フィリピン、韓国の国会議員と共にパネルに参加し日本の立場などについてスピーチしました。この場にあっても、中国の今後の動向に大きな関心が向けられたところです。

特に台湾海峡は尖閣列島を含む東シナ海、南シナ海と並んで東アジア地域で地政学上極めて重要な地域です。我が国の安全保障上も、台湾海峡が地政学的に死活的に重要なことは言うまでもありません。

昨年来、台湾政府高官と面会した際にも言及された点ですが、台湾周辺における中国の海空軍の活動が極めて活発化しており、看過できないものとなっています。宮古海峡、ヴァシー海峡と戦略的に極めて重要な二つのポイントを抱える、日本と台湾、そしてアメリカの情報を含めた密接な連携と一体的な動きが極めて重要です。

特に先日、習近平主席が任期の期限を廃するという報道もあり、独裁色を強めている状況にあります。中国の国内政治情勢が強すぎるリーダーの存在に対してどのような反応を示すのか、また経済的に大多数の企業が依然として古い体質、低生産性の問題を抱える中で経済成長が頭打ちになる可能性、世界ではじめて豊かになる前に高齢化してしまう大国となることから来る社会不安のリスク、軍事的にアメリカを意識しながら南シナ海、東シナ海等でかなり攻撃的な姿勢に転じている最近の動きを踏まえた軍事衝突のリスク等々、極めて予見が難しいリスクを抱える中国という存在を我々は、対外戦略を考えるにあたっては、常に念頭に置かざるを得ません。

北朝鮮以上に戦略的には大きな問題である中国問題、日本も戦略的な外交を進めていく必要があります。アジア諸国と中国の力関係を考えたとき、アメリカの東アジア地域におけるコミットメントを維持し、日本自身も積極関与していくことが求められます。またオーストラリアやインド、イギリスなどの戦略的なパートナーにも、東アジアの安定の構築のフレームに積極関与してもらえる環境の構築も重要です。

その観点でTPPをはじめとした日本政府のこれまでの動きはアジアにおいても肯定的に捉えられています。一帯一路のような中国の戦略に取り込まれること無く、価値と利益を共有する国々との連携を深め、ルールに基づいた開かれた海洋、アジアを力強く作っていくとのメッセージを明確に発信し、実現していく必要があります。


編集部より:この記事は、自由民主党青年局長、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2018年3月4日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。